2026年共通テスト速報<分析>

数学II,数学B,数学C

総評
  • 問題構成は,大問7問(第1問,第2問,第3問は必答,第4問~第7問から3問選択)であった。
  • 配点は,昨年と同じく,第1問,第2問が各15点,第3問が22点,第4問~第7問が各16点であった。
  • 「指数関数・対数関数」分野からの出題はなかった。
  • 第5問は昨年に引き続き仮説検定についての問題が出題された。また第7問は,「複素数平面」のみの問題であった昨年とは異なり,「複素数平面」と「式と曲線」の融合問題であった。
  • 数表を除いた問題文の分量は,昨年の共通テストより増加(33頁→38頁)した。しかし,文章量,問題数にはそれほど変化はなかった。
  • 数表を用いた問題について,昨年は第1問,第2問,第5問で出題があったが,今年は第5問のみであった。
  • 正しいグラフや領域を選ぶ問題が昨年よりも多く出題された。また,文章で書かれた選択肢から選ぶ問題は数問であった。
  • 日常生活での活用場面を想定した問題は,今年は第5問のみであった。
  • 昨年同様,問題文の誘導は丁寧であった。また,昨年と比べ過程の計算結果が示されることは少なくなったが,計算量は変わらず少ないままであった。
  • 全体の難易度については,昨年と同程度であったと思われる。
  • 選択問題の中での難易度差については,大きな差はなかったと思われる。
第1問(必答問題)
配点15点
図形と方程式(不等式で表された領域)
教科書章末問題を超えるレベル。
絶対値を含む不等式で表された領域について,場合分けして考察する問題。
(1)は円の方程式に関する基本的な問題で平易。
(2)では不等式で表された領域や,2つの円の共有点を通る直線に関する内容が問われた。一見複雑そうな,絶対値を含む不等式が登場するが,それ自体についての問題は(セ)のみであった。さらに,計算量も少なく,誘導も非常に丁寧であるため,領域に関する基本的な内容が身についていれば十分対応できたものと思われる。ただし,(ス)については,論理の流れを正確に読み取れるかどうか,(ソ)については絶対値の扱いに慣れているかどうかで差がついた可能性がある。
第2問(必答問題)
配点15点
三角関数(和と積の公式)
教科書章末問題を超えるレベル。
和と積の公式と三角関数の最大値に関する問題。
(1)は和と積の公式の導出に関する問題で平易だが,(イ)(ウ)については,この式変形を行ったことがある生徒も,符号などに気を付けて解く必要があった。
(2)(3)は和と積の公式を用いて三角関数を変形し,最大値を求める問題。必要な知識は,サインの最大値の求め方など基本的なものだけであった。また,式変形に用いる公式も問題文中に示されているので,誘導に沿って解き進められるかどうかが主に問われた問題であった。
第3問(必答問題)
配点22点
微分法と積分法(3次関数の極値,グラフの概形,面積)
教科書章末問題レベル。
3次関数の極値とグラフ,導関数の条件からグラフの概形を考察する問題。
(1)(i)は3次関数f(x)の増減を調べて極値を求める問題で平易。(ii)も(i)の結果を利用するだけで,難しくない。(iii)で3次関数のグラフと直線で囲まれた2つの部分の面積が等しくなる条件を求めるが,定積分の性質を用いて式を整理する定番の内容である。
(2)は(1)と独立した問題であり,3次関数g(x)の導関数g'(x)の条件からy=g(x)のグラフの概形を考察する。導関数ともとの関数の関係を図形的に解釈できれば選択肢を絞り込める。
第4問(選択問題)
配点16点
数列(階差数列,いろいろな数列の和)
教科書章末問題を超えるレベル。
階差数列の考えを利用して,数列の和を求める問題。
(1)は階差数列を用いて,数列の一般項を求める問題で平易。
(2)は一般項が(nの1次式)×(2^n)で表された数列の和を,階差数列の考えを利用した「発想」に基づいて求める問題。丁寧な誘導がついているため,基礎的な計算力があれば難なく解答できたものと思われる。
(3)は一般項が(nの2次式)×(2^n)で表された数列の和を(2)と同様の手順で求める問題。途中の誘導がないものの基本的には(2)と同じ流れで解答できる。また,全体を通して計算量がやや多かった。
第5問(選択問題)
配点16点
統計的な推測(仮説検定)
教科書章末問題レベル。
資格試験の得点の分布や,合格率の母比率の検定に関する問題。
(1)は正規分布の標準化に関する問題で平易。正規分布表を用いて,120点以上である受験者の割合を求める。
(2)は合格率pの母比率に対する仮説検定の問題。昨年と同様に,片側検定が出題された。標本から得られる確率変数の値から,帰無仮説を棄却するかどうかを判断する典型的な内容である。
(3)は標本の大きさを減らしたときの仮説検定の結果が同じになるかどうか調べる問題。
目新しい出題で戸惑った受験生もいたかもしれないが,誘導が丁寧で難しくない。
最後まで素早く解き切りたい問題であった。
第6問(選択問題)
配点16点
平面のベクトル(平面上の点の存在範囲)
教科書章末問題レベル。
等式を満たす点Pが存在する範囲を考える問題。
(1)は正六角形において,点Mの具体的な条件をもとに点Pの位置を考える平易な問題。
(2)(i)は点Mの位置に関わらず,等式を満たす点Pの位置が変わらないためのa,b,cの必要十分条件を求める問題。計算過程の誘導が丁寧であり,スムーズに解答できたものと思われる。
(3)は(2)で求めた条件のもとで,等式を満たす点Pが存在する範囲を調べる問題。等式の意味を捉えながら,参考図や解答群の図から存在領域をイメージできるかが問われた。
第7問(選択問題)
配点16点
複素数平面,平面上の曲線(複素数平面上の軌跡,楕円)
教科書章末問題を超えるレベル。
複素数平面上の軌跡として楕円が現れる「ジューコフスキー変換」に関する問題。国公立2次試験や私立大入試で頻出の内容のため,昨年と同様,十分に対策ができていた理系の生徒は難なく解けたものと思われる。
(1)は複素数の計算が主で易しい。複素数の絶対値を利用して計算するとよい。
(2)は,zが原点を中心とする半径rの円上を動くとき,w=z+1/zが描く図形を求める問題。
zの極形式を利用すると,1/z=1/r(cosθ-isinθ)により,式が処理しやすくなる。
(iii)のr≠1のときは,x,yはθを用いて表されるので,θを消去してx,yの関係式を導く。
(3)は,w^2が描く図形を求める問題。この場合の軌跡も楕円になるが,平行移動や楕円の長軸の長さなど,より細かい考察が必要。(2)の結果を踏まえて素早く正解を選びたい。

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