2026年共通テスト速報<分析>

数学I,数学A

総評
  • 問題構成は,昨年と同じく,大問4問(全問必答)であり,第1問,第2問ともに2つの中問形式で出題された。
  • 配点は,昨年と同じく,第1問,第2問が各30点,第3問,第4問が各20点であった。また,第1問の中問の配点は,〔1〕が10点,〔2〕が20点,第2問の中問の配点は,〔1〕,〔2〕ともに15点であった。
  • 問題文の分量は,昨年の共通テストよりやや減少した(27頁→26頁。下書き用紙除く)。これは,参考図の再掲が減少したことや,データの分析・場合の数と確率の分野以外での日常生活の事象に関する出題がなかったことが理由として考えられる。
  • 全体的な難易度はやや難化したと思われる。特に,誘導に沿って取り組んできた問題の最後にある,条件を変えた場合について考察する第1問〔2〕(2)(ii)や第3問(2)(ii)の2題は受験生にとって難しかったかもしれない。
  • 第2問〔1〕では対話形式となっていたが,昨年同様,対話部分の文章は少なく,解法の指針を示すもの,新たな問いを投げかけるものであった。
  • 今年度は,仮説検定,期待値に関する問題が出題されなかった。また,第1問〔1〕では,集合と命題が単独で出題された。
第1問
配点30点
〔1〕 集合と命題(共通部分,補集合)
教科書章末問題を超えるレベル。
自然数の公約数に関する集合について考える問題。「正の公約数をもつ」という表現に慣れていなければ,条件を捉えにくい問題だろう。
(1)は,与えられた自然数a,bから集合A,Bを求める問題であり,要素を具体的に書き出せば問題なく解けるだろう。(2)は,補集合や共通部分の条件から自然数a,bを求める問題であり,与えられた条件を満たすように絞り込めるかがポイント。
〔2〕 図形と計量(三角形,四角形への応用)
教科書章末問題レベル。
円の接線から作られる三角形の辺の長さを求める問題。
(1)は対角の和が180°になる四角形の面積の求め方について考え,(2)は(1)の結果や円の接線の性質を用いて三角形の辺の長さを求める問題である。また,(ii)は(i)とは異なる三角形の場合を考える問題で,図形の位置関係を正確に把握しつつ,(i)での導出の過程を振り返りながら計算することが求められる。
第2問
配点30点
〔1〕 2次関数(2次関数の最大・最小,2次関数の決定)
教科書章末問題レベル。
2次関数の最大値,最小値に関する条件をもとに,その関数のグラフを考察する問題。
(1)は指定された区間における最大値と最小値を求める基本的な内容であったため,短時間で解ききりたい問題であった。(2),(3)は条件を正しく読み取り,適切なグラフをイメージすることができれば決して難しい内容ではないが,問われ方が目新しかったため,困惑した受験生もいたかもしれない。
〔2〕 データの分析(外れ値,相関係数,散布図)
教科書章末問題レベル。
昨年に引き続き,実社会のデータを基に作成した図から情報を読み取る形式で,基本的な内容が幅広く問われている。今回は東京オリンピックの水泳男子1500m自由形がテーマ。
(1),(3)(ii)は与えられた記述の正誤の組合せが正しいものを選ぶ問題であった。
(2)は与えられた標準偏差と共分散の値から相関係数を計算する問題で,定義を把握していれば問題なく解けただろう。
(3)(i)は外れ値かどうかを判断する2つの値が与えられ,そこから四分位範囲を求めるという目新しい問題であった。第1四分位数と第3四分位数に関する方程式を立てることができるかがポイント。
(3)(iii)は条件に合う選手の数を図から読み取る問題で,問題文を正確に把握できれば,問題なく解けただろう。
仮説検定に関する問題は出題されなかった。
第3問
配点20点
図形の性質(内心・重心,メネラウスの定理,円に内接する四角形,方べきの定理,直線と平面)
教科書章末問題レベル。
昨年と同様,空間図形に関する問題で,2つの仮定の下で三角錐の体積の比を求める問題であった。
(1)は内心,円に内接する四角形,方べきの定理に関する知識を問う問題であった。誘導も丁寧であり難なく解くことができただろう。
(2)(i)は仮定でIF:FPの比が与えられたときの三角錐の体積を求める問題であった。
前半のPE:EAの比を求める問題は,空間図形であったため難しく感じた受験生もいたかもしれないが,落ち着いて図の中から関係する部分だけに注目することができれば,メネラウスの定理を用いればよいことがわかっただろう。後半の体積を求める問題は,Gが直線AD上にあることがわかれば解くことができただろう。
(2)(ii)は(i)の仮定を変更したとき,体積がどのように変化するかに関する問題であった。(i)と同じ考え方ができるかが問われる問題であり,落ち着いて正解を導き出したい。
第4問
配点20点
場合の数と確率(独立な試行の確率)
教科書章末問題を超えるレベル。
3人でリーグ戦を行うときと,4人でリーグ戦を行うときで,Aが優勝する確率はどちらの方が高いかを考察する問題。今回の課程から新たに追加された期待値の出題はなかった。
(1)は3人の場合にAが優勝する確率を求める問題。誘導も丁寧であり,問われている内容も基本的であったため,落ち着いて正解したい。
(2)は4人の場合にAが優勝する確率を求める問題。
(i)は全敗する人がいる場合にAが優勝する確率を求める設問であり,誘導も丁寧で,(1)の結果を用いることができれば問題なく解けただろう。
(ii)は全敗する人がいない場合にAが優勝する確率を求める設問であり,対戦結果としてどのようなものが考えられるかを考えるのはやや難しかったと思われるが,全敗する人がいないことに注意しながら,表を丁寧に埋めることができれば何通りあるかは求められただろう。何通りあるかを導くことができれば,それぞれの確率を求める計算は基本的であったため,それ以降の設問は問題なく解けただろう。

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