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2019年センター試験速報<分析>

数学II・数学B
総評
  • 問題構成は昨年同様,大問5問(第1問,第2問は必答,第3問~第5問から2問選択)であった。
  • 配点も昨年同様,第1問,第2問が各30点,第3問~第5問が各20点であった。
  • 第1問〔1〕が「三角関数」の分野の問題,〔2〕が「指数関数と対数関数」の分野の問題であり,「図形と方程式」の内容は出題されなかった。
  • 第2問「微分法と積分法」では,昨年出題されたような独立した小問はなかった。
  • 難易度は,昨年と同程度。
  • 選択問題については,第3問「数列」が最も難しく,他の2問は標準的な問題だった。
    第4問「ベクトル」では空間ベクトルの問題が出題された。第5問「確率分布と統計的な推測」では,信頼度が90%であることを正規分布表から求める部分が,やや見慣れない問題設定だった。
第1問(必答問題)
配点30点
〔1〕 三角関数(三角関数の値,三角方程式)
教科書章末問題レベル。
sinθとcosθの2次同次式で表された関数の問題。
(1)は式の値を求める基本問題。
(2)は2倍角の公式を用いて,sinθとcosθで表す問題。
(3)前半で関数のとり得る最大の整数mを求め,後半で三角方程式を解く問題。
いずれも典型的な問題のため,確実に解答したい。
〔2〕 指数関数と対数関数(指数・対数方程式)
教科書章末問題レベル。
指数関数・対数関数を含むxとyの連立方程式を解く問題。
誘導が丁寧なため,解きやすいと思われる。置き換えた文字tの値から,xの値を求めるところで,対数計算を間違えないようにしたい。
第2問(必答問題)
配点30点
微分法と積分法(接線の方程式,面積)
教科書章末問題レベル。
(1)は極値をとる条件から係数を決定し,極小値を求める問題。
(2)は放物線とその接線およびx軸で囲まれた部分の面積Sをaを用いて表す問題。
(3)は(2)で求めた接線が3次曲線にも接する場合の面積Sの値を求める問題。
接線と図形の面積を題材とした典型的な問題だが,文字式の計算がやや煩雑になるため,丁寧に計算したい。
第3問(選択問題)
配点20点
数列(等比数列,階差数列,漸化式を満たす数列の一般項)
教科書章末問題を超えるレベル。
(1),(2)は等比数列の和,階差数列に関する基本的な問題。
(3)は漸化式を満たす数列の一般項を,誘導に沿って求める問題。{bn}が満たす漸化式を求める部分が計算量も多く難しい。anをどのように消去するかが計算のポイントであった。
第4問(選択問題)
配点20点
空間のベクトル(四角錐の体積)
教科書章末問題レベル。
(1)は基本的な内容であり易しい。
(2)は底面ABCDに着目して考える必要がある。四角形ABCDが等脚台形であることを利用する図形的な問題でもあるため,底面のみを取り出した図形をかくことも重要である。
(3)は三角錐の体積を求める問題。底面OACが四角錐の内部にある面であることを除けば典型的な問題である。誘導も丁寧であり計算も煩雑ではないため,しっかり得点しておきたい。
(4)は(3)までの内容を利用して四角錐の体積を求める問題。三角錐BOACと三角錐DOACの体積比を,△BACと△DACの面積比として考えられたかがポイントである。
第5問(選択問題)
配点20点
確率分布と統計的な推測(確率変数とその変換,正規分布,二項分布,母平均の推定)
教科書章末問題レベル。
血液中の物質の量の変化を題材とした問題。確率変数X,Yの意味は問題にさほど影響しないため,数学以外の知識が必要となるわけではない。
(1)は確率変数の期待値や標準偏差,確率変数の変換についての問題。基本的で易しい。
(2)は正規分布や二項分布に従う確率変数に関する標準的な問題。後半は確率変数Mの意味を読み取りづらいが,誘導が丁寧なため難しくない。
(3)は母平均の推定の問題。後半の信頼度を求める問題は目新しい。信頼度95%の信頼区間を求める公式を暗記しているだけでは取り組みづらい問題であったといえる。信頼区間を求める公式の意味やそれを導く手順なども理解しておく必要があった。

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