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2012年センター試験速報<分析>

数学I・数学A
総評 ・問題構成は大問4問,全問必答で,昨年と同じである。
・配点は,昨年と同じく,第1問20点,第2問25点,第3問30点,第4問25点で,第1問の配点が少なく第3問の配点が多かった。
・難易は昨年と同程度。典型的な問題が多く,目新しい出題はほとんどなかった。
・過去6年と同様に,第3問で「図形と計量」と「平面図形」の融合問題が出題された。今年は昨年に比べて「図計と計量」の内容が減少し,「平面図形」の内容が増加した。三角比の公式をほとんど必要としない問題であることが特徴的である。
第1問
配点20点
〔1〕 方程式と不等式(絶対値を含む不等式)
教科書章末問題レベル。
絶対値を含む不等式と,その解に含まれる整数の個数の問題。3年連続で出題されていた有理化は問われなかった。
(1),(2)は基本的な不等式で易しい。(3)は一見複雑に見えるかもしれないが,(1),(2)を利用し,aの値に4,5を代入すればそれほど時間を掛けずに答を導くことができる。なお「絶対値を含む不等式の解に含まれる整数の個数」に関する問題は,2008年度追試験で出題されている。
〔2〕 論理と集合(必要・十分条件)
教科書章末問題レベル。
必要条件,十分条件を判定する問題。昨年同様,集合に関する内容は出題されなかった。昨年と違い設問は典型的なものであった。
(1),(2)(i)は基本的な内容で易しい。(2)では,「r⇒p」の反例や「q⇒p」が成り立つことを示す際に(1)をヒントにして条件の否定を用いると考えやすい。
第2問
配点25点
2次関数(2次関数の決定,x軸との交点,最大・最小,グラフの平行移動)
教科書章末問題レベル。
全体を通した設問が昨年とよく似ており,2次関数に関する内容を一通り問う総合的な問題である。設問ごとの内容は標準的だがやや分量が多いため,前半の設問の利用など効率的に解答する意識をもちたい。(2)の最小値に関する問題は場合分けの誘導がないため,この設問が高得点かそうでないかの分かれ目になったと思われる。
第3問
配点30点
図形と計量,平面図形(三角形の内心・外心・重心,方べきの定理)
教科書章末を超えるレベル。
冒頭の問題はcos,sinの値を問われているが,△ABCが二等辺三角形であることに着目すれば,余弦定理などの公式は必要ない。
(1)の円Iと円Oの関係に関する設問は目新しい。線分IOの長さが必要になるため,B,I,Oが一直線上にあることに気づけるかどうかが大きなポイントである。
(2)のGM,CGの比は,誘導に乗ってGが△BCFの重心であることに気づきたい。
過去2年同様に後半の設問になれば図が複雑になってくる。上記のような解法のポイントに気づくためにも,設問ごとに図を丁寧に書き直す習慣をつけるのが効果的である。
第4問
配点25点
場合の数と確率(組合せ,確率,期待値)
教科書本文レベル。
全体を通して丁寧な誘導がされており,特別に難しい設問はない。計算量も多くないため,できるだけ高得点を狙いたい内容である。
(1)では昨年出題されなかった「場合の数」の内容が出題された。
(2)の確率の計算は,5より小さい数と5より大きい数に分けて,それぞれの枚数を考えればよい。

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