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2009年センター試験速報<分析>

数学II・数学B
総評 ・出題形式,配点は昨年と同じであった。
・難易度,問題量について,必答問題(第1,2問)は昨年とほぼ同程度であったが,選択問題(第3~6問)が昨年より難化し,全体としては昨年より少し難化した。
・選択問題については,若干の難易度の差はあるものの大きくは変わらず,選択した問題による差はほとんどなかったものと思われる。
・第1問〔1〕で対数関数と領域との融合問題,第2問で微分法・積分法と軌跡との融合問題が問われた。近年,融合問題の出題が増えており,来年以降も注意が必要である。
第1問(必答問題)
配点30点
〔1〕 指数・対数関数,図形と方程式(不等式の表す領域と対数関数の最大値
教科書章末レベル。
対数関数と領域の融合問題。
領域の問題であることに気付きにくい問題であるため,とまどった受験生もいたのではないか。しかし,計算量は多くないため,領域の問題であることに気付けば,比較的平易な問題である。
〔2〕 三角関数(三角方程式と角の範囲)
教科書章末を超えるレベル。
前半は,2倍角の公式を使って式を変形してから方程式を解く問題。公式を覚えていれば平易である。
後半は,余弦の値から角の範囲を決定する問題で,あまり見られない問題。角の範囲は,近似値を用いて無理数の大小を比較するのが早い方法である。
第2問(必答問題)
配点30点
微分法・積分法,図形と方程式(接線,面積,最大値,軌跡)
教科書章末レベル。
前半は,軌跡を求める問題。基本的な内容で平易である。
後半は,交点の座標,接線の方程式,三角形の面積とその最大値,囲まれた図形の面積を求める問題。いずれも標準的な内容である。
例年と比べて計算量は落ち着いた印象。個別に見ても難しい問題はない。素早く正確に解けるかがポイント。
第3問(選択問題)
配点20点
数列(等比数列,数列の和)
教科書章末を超えるレベル。
(1)は等比数列の初項,公比,和,積を求める問題。基本的な内容で平易である。
(2)は(等差数列)×(等比数列)の和を求める問題。扱っている題材は標準的なものであるが,昨年と同様に問題の誘導にしたがって解いていく必要があり,難しく感じた受験生が多いと思われる。来年以降もこのような誘導問題が出題される可能性があるため,十分慣れておく必要がある。
和の記号Σの意味をきちんと理解しているかが問われている。
第4問(選択問題)
配点20点
空間のベクトル(内積,面積,四角錐と平面の共通部分)
教科書章末を超えるレベル。
(1)は,四角錐の各頂点の座標から内積,側面の面積を求める問題。与えられた数値が簡単なため,それほど難しくない。
(2)は,条件を満たすベクトルが,四角錐の1辺と交わることを示したあと,四角錐の中にできる四角形の面積やベクトルの大きさを求める問題。使われている文字の種類が多く,ベクトルの始点が変わるので,全体の流れをきちんと捉えていないと,誘導にしたがうのは難しいと思われる。
第5問(選択問題)
配点20点
統計とコンピュータ(資料の代表値,相関図)
教科書章末レベル。
全体的に,代表値の計算とその意味がバランスよく問われている。それぞれの代表値の定義を理解し,丁寧に計算すること,また,それぞれの代表値の意味を正確に把握して分析に利用できることが必要である。
(3)の中央値として何通りの値があり得るかという問いは目新しい。
(5)の相関係数については,計算で求めるのではなく,相関係数の値の意味を考え適切な選択肢を選ぶ必要がある。このような設問は数学の試験としては珍しい。
第6問(選択問題)
配点20点
数値計算とコンピュータ(自然数に関するプログラム)
教科書章末を超えるレベル。
(1)のプログラムを完成する部分が難しい。プログラムの内容は明示されているが,穴埋めの部分が多く,プログラムの全体像を把握するのは難しかったと思われる。
(4)のプログラムの変更についても,多くの箇所を変更するため,難しかったと思われる。
昨年の問題(互除法)に比べると,数値計算よりもプログラムの部分で難しい内容が問われた問題であった。

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