「チャート式を使っていました。紙面に息抜きのイラストや語呂合わせのいいチャートが入ってて結構楽しかった。」「スタンダードっていう問題集をやらされたけど、答えが無くて苦労した。」「チャート式には赤とか青とかあって僕は易しい方の青を使ったけどそれでも結構難しかった。」いろんな方から、よくそんな言葉をかけていただきます。何十年も前に使った参考書や問題集のことを今でも覚えていただいているということは、いい意味でもわるい意味でも、ある人たちにとっては、いわば「青春時代の思い出の本」なのかもしれません。10代の頃<チャート式>とともに勉強した学校の先生にとって、<チャート式>は、懐かしく、親しみもあり、したがって教材としても使いやすいと評判をいただくことも多いようです。
ところが、ここに、実は大きな問題があります。<チャート式>の読者には、「プロ」と「素人」が存在するということです。「プロ」とは先生、「素人」とは生徒のことです。つまり、学習内容をすでによく知っている先生にとって「使いやすい」ことと、その学習内容に初めてこれから触れる生徒にとっての「わかりやすい」こととには、違いがあるということです。ましてや、先生と生徒では青春時代における世の中の環境がまったく違います。この両者にとって「良い本」をつくることが、今の<チャート式>の本づくりの難しさです。







