数研国語だより
数研国語だより第64号
2026.7.22
「現代文・古典読解問題集」に関するアンケート回答募集中!
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小論文テーマ別解説(3)人間とは何か
近年の入試では、AI(人工知能)の普及を背景として「人間とは何か」という哲学型の小論文がよく出題されるようになった。AIが人間の知能だけでなく知性をも代替するように進化し、「人間」の自明性が揺らぎはじめたからである。
「人間とは何か」という問いは「人間にしかできない仕事とは何か」「AI時代の医師に求められる役割とは何か」「人間性(humanity)とは何か」のように、多様な形で出題される。この問いに答えるうえでまず気をつけたいのが、「人間には心がある」という意見に留まってはならないという点だ(「感情」「共感力」「思いやりの気持ち」なども同様)。生成AIに悩みを相談したり話し相手になってもらったりしているのに、いざ小論文となると、多くの生徒がいまだにこういう意見を書いてくる。いや、そうした意見を書いてもいい。重要なのは、その先に進めるかどうかだ。
哲学型小論文の評価は自己内対話ができているかどうかで決まる。〈もう一人の自分〉が自分に問う、「なぜAIが心を持たないと言えるのか」と。その問いに答えると、「そもそも心とは何か」と問うてくる。それに答えるとまた次の問いが投げかけられる…。こうした対話の積み重ねを経て答案に向かっているかどうか。指導者としては、小論文における自己内対話の重要性を教えながら、その営み自体が「人間にしかできないこと」なのだという気づきに生徒を導いていきたいものである。
※森直紀先生コラム≪小論文テーマ別解説(1)地域の活性化≫掲載
「数研国語だより 56号」のバックナンバーページはこちら
※森直紀先生コラム≪小論文テーマ別解説(2)地域の活性化・対策編≫掲載
「数研国語だより 61号」のバックナンバーページはこちら
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