現行課程2回目となる令和8年度大学入学共通テスト「国語」では、昨年に引き続き論理的文章・文学的文章・実用的文章・古文・漢文の5大問の構成でした。
昨年同様、いずれの大問でも4択の設問が中心でしたが、現代文を中心に本文の難易度が上がり、国語全体でも昨年に対してやや難化したと言えます。
各大問の配点は、論理的文章・文学的文章・古文・漢文が各45点で、実用的文章は20点でした。
2回目の出題となった実用的文章では、文章主体の資料を比べ読む問題が出題されました。文章表現にフォーカスを当てた設問が多く、試作問題や昨年の実用的文章で出題されていたグラフや表を読み取る問題はありませんでした。実用的文章に関しては、来年以降も出題方針が読みにくいため、多様な形式の問題演習に取り組むことが効果的だと考えられます。
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櫻井あすみ「『贈与』としての美術・ABR」(2018年発行)より出題。画家・美術教育研究者である筆者が、美や芸術が内包する「わかりえなさ」について論じ、作品制作を「贈与」として捉え直した文章。筆者の個人的な回想も含む、やや随筆的な文章でした。
文章量は約4,300字で、昨年より500字程度増。
昨年に引き続き、複数の本文が出題されることや、設問内に資料等が設定されることはなく、一つの文章を課すシンプルな形式でした。
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設問数・マーク数ともに昨年と同数。
昨年に引き続き、すべて4択。
構成は、問1が漢字問題、問2~6まで内容読解問題。
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遠藤周作「影に対して」(2023年発行)より出題。「影に対して」は、2020年に発見された未発表小説。
遠藤周作は昭和20年代後半に登場した「第三の新人」に属し、「影に対して」の執筆も昭和期と推測されています。
文章量は約3,700字の本文と、2つの引用文を含む約500字の【ノート】の計約4,200字。全体としては昨年より100字程度減。
文学的文章としては2年ぶりに複数の文章を用いた問題が出題されました。
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設問数は昨年から1減、マーク数は昨年と同数。
昨年に引き続き、すべて4択。
構成は、問1・3・4が心情説明の問題で、問2が理由説明問題、問5が表現に関する問題、問6は本文と【ノート】・生徒同士の会話文を比べ読む問題でした。
昨年同様、語句問題は出題されませんでした。
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【資料I】は山形昌也氏へのインタビュー記事「科学絵本のアプローチ」、【資料II】は大片忠明の絵本『イワシ むれで いきる さかな』、【資料III】は東京水産振興会『世界はイワシでできている?』をもとに作成されたものでした。
【文章】の分量は約600字で、3点の資料を含めた全体の文章量は、昨年より100字程度減でした。
【資料I】~【資料III】はいずれも文章主体の資料で、【資料】にはグラフや表は一つもありませんでした。
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設問数は3、マーク数は5で、いずれも昨年と同数。
正答を2つ選ぶ問3(i)以外は4択。
構成は、問1が【資料】の内容を読み取り【文章】の表現を修正する問題。問2が【資料】の内容を踏まえて【文章】の趣旨にそぐわない表現を削除する問題。問3(i)が【資料】の内容および表現的な特徴をつかみ表の空欄を埋める問題で、(ii)は複数の資料を踏まえて今後の方針を検討する問題。
文章の表現にフォーカスした設問が多く出題されました。
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『うつほ物語』(作者未詳)より出題。『うつほ物語』は、平安時代中期の作り物語。
字数は本文が約1,000字、問5の引用文は約120字で、合計量は昨年より約120字増。
別作品との比べ読み問題ではなく、同作品中の別の場面の会話を踏まえた問題が出題されました。
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設問数は昨年より2増、マーク数は昨年と同数。
問4・5が5択、それ以外は4択。
構成は、問1が語句の意味を問う問題、問2が語句と内容に関する問題、問3・4が内容読解問題、問5は同作品の別箇所の引用と本文の内容とを合わせて検討する問題でした。
新傾向の設問として定着していた、生徒たちの話し合いの場面を含んだ設問は出題されませんでした。
和歌が本文になく、本文そのものは例年より読みやすいものであったとはいえ、登場人物が多く選択肢にまぎらわしいものもあり、全体として受験生にとってはそれほど易しい問題ではなかったと考えられます。
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長野豊山「松陰快談」より出題。
長野豊山は、江戸時代後期の漢学者で、2年連続で日本漢文からの出題となりました。問7の引用文も同出典でした。
字数は、本文が161字、引用文が42字で合計203字。昨年から4字増。
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設問数は昨年より1増、マーク数は昨年に比べて1減。
問3のみ5択で、その他はすべて4択。
構成は、問1が語句解釈の問題、問2・4・5・6が内容読解問題、問3が返り点の付け方と書き下し文の問題、問7は本文と本文に関連する【資料】を読み比べて筆者の考えを読み取る問題。
漢文では例年、複数テキストが「本文」として提示されてきましたが、今回は【資料】として二つ目の文章が提示されました(21年の第2日程、22・25年の追試験が今回と同形式)。
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