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2013年センター試験速報<分析>

数学I・数学A
総評 ・問題構成は大問4問,全問必答で,昨年と同じである。
・配点は,昨年と同じく,第1問20点,第2問25点,第3問30点,第4問25点で,第1問の配点が少なく第3問の配点が多かった。
・難易は昨年より難化。特に第2問,第3問が昨年より難化した。
・過去7年と同様に,第3問で「図形と計量」と「平面図形」の融合問題が出題された。昨年同様に「図計と計量」の内容が少なく,「平面図形」の内容が多かった。
・第1問〔2〕は,「論理と集合」に図形の内容を絡めた問題であった。
第1問
配点20点
〔1〕 方程式と不等式(式の値)
教科書章末問題レベル。
平方根を含む数に関する計算問題。昨年出題されなかった有理化に関する設問があった。
いずれも易しい計算であるため,完答を狙いたい問題である。最後のA+Bは,前の設問を利用して素早く解きたい。
〔2〕 論理と集合(必要・十分条件)
教科書章末問題レベル。
必要条件,十分条件を判定する問題。図形の内容を絡めた問題であったのが目新しい。過去2年同様,集合に関する内容は出題されなかった。
(2)の反例を選ぶ問題は,2年前にも出題されている。(3)で「r⇒(pまたはq)」を考える際には,(1)の誘導通り対偶を用いると考えやすい。
全体を通してそれほど難しい設問はなく,pやrの否定を正確な言葉で表せたか,(pまたはq)という条件を正確に理解できたかがポイントになったと思われる。
第2問
配点25点
2次関数(最大・最小,グラフの平行移動)
教科書章末問題レベル。
昨年と同様に(1),(2)は独立した問題であった。
(1)は三角形の面積の和をtを用いて表し,最大・最小を考える問題。条件がやや多いため,前半部分では,各点を座標平面上にきちんと図示し,三角形の辺の長さを正確に求めなければならない。後半部分は,センター試験ではあまり出題のない,範囲が動く場合の2次関数の最大・最小に関する問題。設問の内容は典型的なものであった。
(2)は,工夫しないと計算量が多くなってしまう。原点を通ることと平行移動する前のグラフの式から,y=2x^2+pxという式を導き,その後の方程式も手際よく処理したい。
第3問
配点30点
図形と計量,平面図形(円と直線,2つの円の位置関係)
教科書章末を超えるレベル。
円の性質に関する設問が非常に多かった。
冒頭の設問では円の半径から2円の位置関係を正確に把握することがポイントである。ODの長さは,相似な三角形に着目して考えるとよい。また,cos∠OADの値から,△ABCが「辺の比が3:4:5の直角三角形」であることに気付いて計算量を減らしたい。
(1)では,昨年同様に2円の位置関係が問われた。△ABCと△CEAが合同であることから,円Qと円Rの半径が等しいこと,さらに直線QRがACと平行であることに気付かなければならない。(2)では,A,P,Qが一直線上にあることに気付けたかどうかがポイントである。
後半部分は図が非常に複雑であり,正確な図を書くことが上記のようなポイントに気付くための近道である。設問ごとなど,ある程度の区切りで図を書き直す習慣をつけたい。
第4問
配点25点
場合の数と確率(順列,確率,期待値)
教科書本文レベル。
昨年と同様に,全体を通して丁寧な誘導がされており,特別に難しい設問はない。計算量も多くないため,できるだけ高得点を狙いたい内容である。
(3)の誘導をヒントにすれば,(4)の各得点の確率を求めやすい。そのため,場合の数があまり得意でない受験生も比較的解きやすかったのではないか。

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