総評 | ・必答問題については,目新しい問題も若干見られたが,出題傾向に大きな変化はなかった。問題のレベルは,昨年と比べて計算量が減った分,若干易しめになった。 一方,選択問題はいずれも昨年に比べて明らかに難化した。したがって,全体としては,昨年に比べて若干難化した。 ・第1問〔2〕において,「2次関数と確率の融合問題」が出題された。 |
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第1問(必答問題) 配点40点 |
〔1〕 | 2次関数(最大・最小,y軸対称,平行移動) ・教科書本文レベル. 例年のように,頂点の座標を求める形式からではなく,最初から最大・最小を求める形式になっていたので,若干とまどった受験生がいたかもしれない。しかし,(1)の最大・最小,交点のx座標を求めさせる問題(2)のy軸対称,平行移動の問題 は,いずれも計算が易しく,取り組みやすい問題であった。 |
〔2〕 | 2次関数と確率(2次関数とx軸との共有点の個数の確率・期待値) ・教科書本文レベル 「2次関数と確率の融合問題」は,センター試験においては初めての出題なので,センター試験のみ数学が必要な文科系の受験生はとまどったのではないか。しかし,与えれた2次関数は y軸対称の単純なものであったので,(1) の確率,(2) の期待値 の計算はともに易しかったと思われる。(3) は,共有点の整数問題であったが,条件を満たす(a,b)の組を順次数え上げればよく,さほど難しくなかった。 |
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2問(必答問題) 配点40点 |
〔1〕 | 数と式(整式の割り算,必要十分条件) 最初の整式の割り算,(1) のxについての恒等式に帰着させて連立方程式を解く問題はともに教科書本文レベル。 (2)は教科書章末問題レベル。 (i) 絶対不等式と必要十分条件の混合問題。 (ii)AがBで割り切れる条件と必要十分条件の混合問題。 (i),(ii)とも題意をしっかり読み取れば,平易な問題であった。 |
〔2〕 | 三角比(余弦定理,正弦定理) 教科書本文レベル。 例年と異なり,与えられた条件の中に sin,cosではなく,tanが入っていたため,最初はとまどった受験生がいたかもしれない。 しかし,きちんと図をかくことができ,tan∠CAD から cos∠CAD を求めてしまえば,後は普通に余弦定理,正弦定理,面積の公式を使うだけの平易な問題であった。 |
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第3問(選択問題) 配点20点 |
数列(和が与えられた数列,等比数列) (1)は教科書章末問題レベル。 和が与えられた数列の一般項を求め,更に,一般項の絶対値の和を求めさせる問題。ただし,誘導が丁寧なので,さほど難しい問題ではなかった。 (2)は教科書発展問題レベル。 誘導はある程度丁寧なものの,最初の部分の題意がつかみにくく,とまどった受験生も多かったのではないだろうか。 |
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第4問(選択問題) 配点20点 |
平面幾何(弦と接線の作る角,面積比) 教科書章末問題レベル。 三平方の定理,相似,弦と接線の作る角などを用いた問題であった。 誘導が丁寧であり,中学で学んだ内容で解ける問題であったが,問題量は若干多かった。 また,昨年に引き続き,辺や角を選択肢から選ばせる形式の出題も混じっており,消去法で解いた受験生もいたのではないだろうか。 |
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第5問(選択問題) 配点20点 |
コンピュータ(異なる3つの自然数で3桁の整数を表示するプログラム) 教科書章末問題レベル。 実行回数や出力される値を問われた。 (3) では,プログラムを修正する問題が出題され,プログラムに慣れていない受験生はとまどったのではないか。 |