数研国語だより
数研国語だより第47号
2025.07.22
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SVOと嗟来之食
日本語の語順はSOV式だ。「私は(S)ご飯を(O)食べる(V)」。Sは主語、Oは目的語、Vは動詞。日本語は「結論先延ばし型」だ。
「ぼくは、この料理は食べま……せん……なんて言いま……」と、周囲の顔色を見ながら、延々と結論を先送りできる。
SVO式の言葉は、こうはゆかない。中国語や漢文はSVO式つまり「結論先行型」だ。食べるか食べないか、結論である動詞部分を先にビシッと言う。いったん口にした結論は、修正しづらい。
SVOと言うと、私は漢文の故事成語「嗟来之食(さらいのし)」を思い出す。
『礼記』檀弓下の話。昔、斉の国が飢饉になった。炊き出しが行われた。餓死寸前の男が通りかかった。炊き出しの人は何気なく、
「嗟、来食(ああ、来たり食らえ)」
おい、こっちに来て食いな、とぞんざいに呼びかけた。飢えた男は目をギラつかせて言った。
「予惟不食嗟来之食、以至於斯也
(われ、ただ嗟来の食を食らわずして、もってここに至るなり)」
俺は、人を見下した態度の施しだけは受けない。だからこの有様なのだ。炊き出しの人は謝った。男は食べず、餓死した。この話を聞いた曾子(そうし)は「狭量だな。おい、と呼ばれたら去ればよい。謝罪されたら食べればよい」と言った。
人生の価値観はいろいろだ。私は軟弱なので、「俺は、絶対に嗟来の食なんて食べ…ない…こともない…とは言いま…」と優柔不断な表現もできる日本語が好きです。
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