名執 弘美教諭
指導者用
デジタル教科書(教材)
この学校の活用事例は、ICT活用事例集 vol.5で紹介しています。
効率よく授業を進められるうえ、メリハリがつくことです。論理国語・文学国語・古典探究の各科目とも週2時間しか授業がないため、指導者用デジタル教科書を使用して、いかに効率よく進行するかを考えています。また、漢文の教材は特に板書するのに時間がかかるので、「掛図」機能による表示が役立っています。
ノートに取るなどして残してほしい内容は、板書するようにしています。また、指導者用デジタル教科書に書き込んだ内容は、教科書に直接書き込ませています。
まず、教科書に掲載されている漢詩のうち2首の鑑賞を兼ねながら、漢詩のきまりを確認します。
詩型を確認する段階では、から再生できる漢詩の中国語音声を再生することで、押韻されていることがわかりやすくなります。
また、杜牧「江南春」(江南の春)の読解では、作品中に登場する「鶯」が日本のウグイスとは異なり、中国に生息するコウライウグイスであることの説明として、から再生できる動画コンテンツを表示しています。
詩型と押韻を確認した後は、句ごとに書き下し文を確認しながら本文の解釈を確認します。この際、から起動できる「掛図」コンテンツを活用しています。
「掛図」コンテンツでは、教室全体に対して見やすい文字サイズで教材本文を表示できるほか、古典の教材(古文・漢文)についてはフレーズを抽出したうえで訳などをふせん形式で表示できます。
漢詩の場合は句ごとに書き下し文と訳を表示・確認できるため、この表示をもとに、ときに手書きの板書も加えながらスムーズに本文の解釈が進められるようにしています。
初めの5分で古語の小テストを行うようにしています。問題はMicrosoft Formsで配信し、生徒が各自の端末で取り組みます。パソコンを使えない生徒向けに紙の問題用紙を用意していますが、基本的にはパソコンを利用する生徒が多いです。
この方法で小テストを行うことにより、効率的に成績処理ができます。小テスト以外でも論理国語や文学国語での課題の提出はパソコンを使うことが多いです。
ワークシートを活用して漢詩を作る活動を行っています。
漢詩・漢文を含んだプリントの作成には、漢文ツール「かりがね」(教科書教授資料付属)を活用しています。「かりがね」は訓点の表示や設問記号などを編集できるので、漢文のワークシートを簡単に作成できます。「詩語集」(右下画像)は、同内容のPDFが「指導者用デジタル教科書(教材)」のコンテンツとしても収録されています。このPDFを生徒向けに配信して、協働学習で活用しています。
ICTの活用で授業がとても楽しいです。今後はさらにAIの活用にもチャレンジしていきたいです。生徒が語彙を増やしたり、自分が書いた文章の論理が通じるか検討したり、AIが書いた文章と比較したりといった活動を構想しています。