岡本 菜々実教諭
指導者用
デジタル教科書(教材)
この学校の活用事例は、ICT活用事例集 vol.5で紹介しています。
教科書に書かれている内容を黒板に書き写すという作業が無くなったので、非常に楽だと感じています。また、ペンの機能で書き込んだ内容を消さずに全担当クラス分それぞれで個別のデータとして残しておけるので、その点も大きな魅力だと思います。
特別な取り組みということはしていません。ソフトの中にガイドツアーのような機能があるに越したことはないと思いますが、現状でも日々の授業で困らない程度には自力で習得できました。それでも分からない点については、担当営業の方に尋ねるようにしています。
本文読解の際には教科書本文が収録された「テキストビュー」機能を使って電子黒板に投影し、要所で手元のiPadにペンで書きこんで解説を行っています。あらかじめ本文内容が収録されていて、板書の手間が省ける点がデジタル教科書の魅力だと思います。また、電子黒板にも書き込み機能は備わっていますが、内蔵のペンツールはiPad上で操作が完結するだけでなく、書き込んだ内容を残しておいて後から確認できることも大きなメリットと感じています。
の「ワークスペース」機能を活用して、全クラス分の書き込み内容を消さずに残して授業を進めています。
本文解説のあとは正誤問題で理解度を問うことになりますが、「スライドビュー」機能を利用しています。ここでもデジタル教科書の面目躍如といったところで、生徒を指名して回答を促し、その場で「ふせん」をはがすと答え合わせができてしまいます。問題文が投影された状態で実施できるので、ペン機能で補足説明や解説をしやすいのもいいですね。このときの書き込みも、消さずにデータとして残しています。板書の必要が無く、既に設問文が書かれた状態からスタートできることは、「テキストビュー」の本文表示と同等か、それ以上に便利ではないかと思います。
レッスンの総まとめとして、語彙や語法といった本文の重要事項の定着度を確かめるために、「テキストビュー」に備わっているマスク機能を活用しています。
理解度をチェックしたい箇所がマスクされた状態の英文を投影し、生徒をペアに分ければ準備完了です。ペアのうち1人が解答者となり、もう1人が聞き役になります。合図とともに解答者は、並んで表示された日本語訳も頼りにしながら、マスクされた箇所を自力で埋めた英文を口頭で聞き役に伝えます。
当該の文を生徒たちが相方に対してひと通り答え終わったら指導者がマスクを解除しつつ重要事項を改めて解説し、別の文についてペアの役割を交代しながら進めています。
マスクの箇所や個数は、隠したい単語をクリックやタップするだけで調整できるので、さまざまなクラスで応用可能な活動といえます。
ICTの活用がますます当たり前になっていくだろうと感じています。効率化によって得られた授業時間の余裕で、生徒とのコミュニケーションを増やせるメリットもあるのではないでしょうか。また学習者用のデジタル教科書についても、機能や付加価値次第で導入を検討することになると思います。