数研国語だより
数研国語だより第39号
2025.3.17
弊社教科書では、学びを深めるために役立つQRコンテンツや教授資料付属データを多数ご用意しています。今回は、これらのコンテンツとデータの活用法をご紹介します。
QRコンテンツ「ドリルコンテンツ」
語彙力の定着や授業冒頭のウォーミングアップなどにおすすめなのは、「ドリルコンテンツ」です。教科書掲載の重要語や漢字を小テスト感覚で確認できます。制限時間を設定してクイズ感覚で確認することや、出題順をランダムに変更することもできます。
教授資料付属データ「言語活動ワークシート」
「言語活動ワークシート」は、教科書「学習のてびき」掲載の言語活動に取り組むためのワークシートです。てびきに設定された課題に取り組むために、段階を踏んだ構成で、活動の流れが分かりやすいように構成しています。グループワークでの活動もしやすいように書き込みスペースを大きく確保している点も特徴です。言語活動の評価にあたっては、別途ご用意している「評価用ルーブリック」データをご利用ください。
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これらのデータは、弊社会員制サイト「チャート×ラボ」よりダウンロードが可能です。
ダウンロードはこちら
※ ダウンロードには、数研アカウントもしくは、教授資料本冊に記載の
データダウンロード用のID・パスワードが必要です。
億兆の民と日本の現実
漢文の表現には誇張が多い。李白の漢詩の名句「白髪三千丈」は有名だ。ただ、本当は誇張ではないのに、日本人が誇張だと誤解する例もある。「億兆の民」もそうだ。
「中江兆民」という人名や、明治天皇の教育勅語の「億兆心を一にして」、昭和天皇の終戦の詔書(玉音放送)の「億兆ノ赤子ヲ保シ」は、漢文の「億兆の民」の意味である。古代中国の「億」は10万。「兆」は100万。一、十、百、千、万、億、兆は本来、十倍ずつ増える十進法が貫徹していた。
古代中国の人口は少なかった。孔子の時代の中国の推定総人口は、一説におよそ500万程度。「億兆の民」つまり「数十万、数百万の民」は誇張ではなかった。
時代がくだると、中国の人口は激増した。前漢の末、平帝の元始2年(西暦2年)の戸籍登録人口は約6000万。人口や税収の激増にともない、算術で扱う数字の桁数も増えた。算術では、万の万倍を億、億の万倍を兆とする「万進法」も使われるようになった。
現代日本の「億」や「兆」は万進法だが、「億兆の民」など古くからの熟語は十進法だ。
現代中国では、「
億
(
イー
)
」は万の万倍だが、「
兆
(
ジャオ
)
」は100万の意だ。現代中国のパソコン用語では、メガバイト(100万バイト)を「
兆字節
(
ジャオズージエ
)
」と言う。日本語の「1兆」は、中国語では「
1万億
(
イーワンイー
)
」と言う。ただし台湾や香港の中国語では、「兆」は日本と同様、億の万倍を指す。ややこしい!
億も兆も、古代人にとって現実離れした大数だった。ゆえに「
億
(
おしはか
)
る(憶測する)」とか「
兆
(
きざ
)
す」など、現実感の薄さとつながる漢字をあてた、という説もある。
さて、2025年現在の日本国の借金の総額は1300兆円を超え、急増中だ。数字が巨大すぎて、もはや国民は現実感がわかない。これは漢文の誇張表現も顔負けの、日本の現実である。
発行:数研出版株式会社
住所:京都市中京区烏丸通竹屋町上る大倉町205番地
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