数研国語だより
数研国語だより第37号
2025.02.21
1月18日(土)に実施された令和7年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト) 「国語」の分析を弊社のメルマガ専用サイトにて公開いたしました。
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共通テストの向かう先
令和7年度共通テストの国語第1問・第2問は、集団討論や自主研究といった、アクティブ・ラーニングを意識した出題形式がなくなり、評論と小説は傍線部説明ばかりの問題であった。設問内容も本文と選択肢を比べて本文内容に合致する(または合致していない)選択肢を見つけるという「間違い探し」が多く、選択肢が4つになったことで、生徒の消去法依存傾向を強めることになるのではないかと心配だ。
たとえば第2問・問1では、ギターを弾くおじさんの様子が問われた。「わたし」がおじさんに「なにか弾いてよ」と頼むと、おじさんはいつも「アルハンブラの思い出」を弾いた。これについて、(2)「大切な曲」、(3)「追憶にひたっている」、(4)「深い思い入れがある」は誤りだ。本文中にそんな記述はないからである。しかし、国語にかかわる人間としては、「本文に書かれていることがすべてだ」「行間を読むような想像力は不要だ」と生徒に教えるのは非常につらい。
「間違い探し」の傾向は第3問の導入でいっそう顕著になるだろう。図表から読み取れる内容は一つではないために、解法は基本的に消去法になるからだ。たとえば第3問・問3(i)では、(1)(2)(3)が適当かどうかの判断ができなくても(4)が「適当でない」ことがわかればよい。子どもたちをこのような問題に習熟させ、「間違いが見つかればそれでよし」という発想を植え付けていくことは、多様な可能性への想像力を育むこととは相反する方向性なのではないか――。
とにかくやたらと心配事が増えた、今年の共通テストであった。
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