数研国語だより

チャート式の数研出版 数研国語だより第29号
2024.07.10
教科書をフル活用!準拠ワーク活用例3選
今回は、教科書での学びを深める準拠ワークの活用例を3つご紹介します。
(1)予習・復習用教材として
漢字・語句の予習から定期考査前の内容復習までが一冊で完結。授業の理解度を深め、学習内容を定着できます。「言語文化」「古典探究」の準拠ワークでは、文法事項や重要語・句法などの確認問題も豊富に収録しています。
また「論理文学」「文学国語」「古典探究」の準拠ワークでは、大学入試に出題された問題を適宜掲載しているので、日頃から入試を意識した学習ができます。
(2)授業中のワークシートとして
読解問題は段落ごとにまとめているので、授業の進度に合わせて確認問題として出題できます。「現代の国語」「論理国語」の準拠ワークでは、教科書に掲載されている「書くこと」の言語活動を再掲。段階を踏んで考えるための設問を追加しているので、そのままワークシートとしてお使いいただけます。
(3)授業で扱わなかった題材を課題として
「授業で扱いきれなかった題材がもったいない」と感じたことはありませんか?
準拠ワークを課題として運用することで、教科書をあますことなくご使用いただけます。設問は読解の手順を踏んだ配列になっているため、自学自習にも最適です。解答編では正答にたどり着くための考え方をわかりやすく示し、記述問題には採点基準を設けているので、生徒さんお一人でも無理なく取り組むことができます。
教科書での学びをより確かなものとする準拠ワークを、ぜひご活用ください。
教科書準拠ワークの詳細はこちら
 
 
加藤徹先生コラム
 冒頓単于の謎 
古代の人名の読み方は難しい。匈奴(きょうど)冒頓単于(ぼくとつぜんう)(?~前174年)もそうだ。冒頓は彼の名前で、「単于」は匈奴の君主号。古代匈奴語の発音に漢民族が漢字をあてた表記だ。匈奴は自国語を書き記す文字を持たなかった。原語は不明である。現代のモンゴル国の首都ウランバートルの「バートル」(英雄)の古語かもしれない。

「冒頓」は冒険のボウと頓知のトンと書く。世界史の教科書で彼の名のふりがなを見た生徒は「なぜボウトンじゃないの?」と疑問に思う。現代中国の中高生も同様で、ふつうにMao4dun4[数字は四声を表す]と誤読しがちだ。が、冒頓という人名に限り、日本語ではボクトツ、現代中国語ではMo4du2という特別な読みかたをする。なぜか。昔の中国人がそう指定したからだ。

冒頓という名は司馬遷『史記』匈奴伝に出てくる。『史記』の昔の注釈書に「冒、音墨」とある。「黙」は呉音でモク、漢音でボク。「頓」も、冒頓に限り「当没切、音咄」と読む。「ト/ウ+ボ/ツ→トツ、発音は咄(とつ)」の意。

現代日本語のボクトツも、現代中国語のモードゥーも、紀元前2世紀の匈奴語の発音とは全然違うはずだ。が、日中両国の生徒は、内心「めんどくさい」と思いながらも、律儀にボクトツという特別な読み方を守っている。考えてみれば、すごいことだ。
 
 
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