第11号(2023/2/16配信)
■□□目次□□■
[1]デジタル教科書掛図機能改良のご案内
[2]加藤徹先生コラム「漢文の特異性 その4 漢字でしか書けない」
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[1]デジタル教科書掛図機能改良のご案内
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弊社の「指導者用デジタル教科書(教材)」でご利用いただける「掛図」機能につきまして、これまでに本メールマガジンでも数度にわたって機能をご紹介してまいりました。
2023年度発行商品では、これまでにご使用いただいた先生方からのご要望にお応えして、改良を施した「掛図」を搭載いたします。
この改良版「掛図」は、システムのアップデートにより、現在すでに「指導者用デジタル教科書(教材)」をお使いいただいている学校様でもご利用いただけます。
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改良の内容 ~掛図内の文字を大きく表示できるようになります~
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・デジタル教科書を表示するディスプレイやプロジェクターの表示サイズに応じて、
できるかぎり大きく「掛図」の表示領域を確保するようになります。
・古文・漢文のフレーズ表示画面で、従来固定されていた文字サイズが
変更できるようになります。
※いずれも「掛図内の文字をもっと大きく見せたい」という先生方のご要望を踏まえた改良となります。
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改良版のご利用方法
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◆◇2023年度向けに「指導者用デジタル教科書(教材)」をご購入いただく学校様
・商品を購入するだけでご使用いただけます。
※本件の「改良版」をご利用いただくための更新作業等は不要です。
◆◇「指導者用デジタル教科書(教材)」をすでにご購入いただいている学校様
・改良版のシステムと教材データを、後日アップデート用ファイルとして配信予定です。
アップデートの適用が可能になりましたら、弊社HPのトップページ下部「新着情報」
およびエスビューアのアプリ版ダウンロードページ
( https://www.chart.co.jp/software/sviewer/dl/ )
でお知らせいたします。
より大きく見やすくなった「掛図」機能を存分にご活用いただけましたら幸いです。
▼「掛図」機能につきまして詳しくはこちら
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[2]加藤徹先生コラム「漢文の特異性 その4 漢字でしか書けない」
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漢文という書記言語は、漢字でしか書けない。これは特異だ。
日本語は「漢字かな交じり文」だが、その気になれば「かな」だけでもローマ字でも書ける。
インド起源の古典語であるサンスクリット語やパーリ語は、そもそも固有の文字がない。
両言語は仏教の聖典の原語でもある。大事なのは音声で、両言語を記録する文字は時代や地域ごとにバラバラだ。
パーリ語は南伝仏教の経典で用いられるが、スリランカではシンハラ文字、ミャンマーではビルマ文字、タイではタイ文字、と、各国の仏教徒は自国語の文字を使って表記する。
現代の学者は、サンスクリット語もパーリ語も、ローマ字で書く。
日本のお墓の卒塔婆の梵字(悉曇文字)も、実は地域限定、時代限定のローカルな文字だ。
昔のお釈迦さまも、現代のインド人も、卒塔婆の梵字は知らない。
「漢文を現代中国語で音読した発音を、そのままローマ字で書けないの?」
書けますよ。でも読めません。「同音衝突」が多すぎるので。
例えば「是」「事」「世」「士」の中国語の発音は全部同じ「shi4(第四声)」になってしまう。
****編集部員リレートーク****
国語編集部のTです。
主に古文分野の教材を担当しています。
2023年は卯年ということで、古文に出てくるうさぎについて調べてみたところ、「月にうさぎがいる」というイメージが7世紀前半には日本にあったことがわかりました。
「月のうさぎ」の伝播と定着にはさまざまな要因があるようですが、「帝釈天に自らの身を捧げたうさぎの姿が月に描かれているのだ」と語る仏教説話が多く残っていることから、仏教の影響が大きいと考えられているようです。
古文を読んでいると、「月のうさぎ」のように、現代にも残る信仰や風習の始まり・発展の過程を記す文章に出会うことがあります。
おもしろくてつい読み込んでしまうので、私もそんな文章を残せたらいいなと思い、文字が長持ちするという筆記具を使って日記を書くことにしました。
まあ大層なものにはならなくても自分の足跡を振り返る楽しみができるから、と予防線を張りつつ、書き続けてみます。
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