数研国語だより

第8号(2022/11/4配信)

■□□目次□□■
[1]〈新刊案内〉新課程対応!読解問題集
[2]加藤徹先生コラム「漢文の特異性 その2 母語話者がいない」
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[1]〈新刊案内〉新課程対応!読解問題集
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今秋、「現代の国語」「言語文化」に対応した読解問題集
『力をつける現代の国語』『力をつける言語文化』を発行いたしました。

本書は、「新課程科目に対応した問題集がほしい」という先生方の声から誕生しました。
◇従来の現代文/古典問題集は、「現代の国語/言語文化」の課題として出しづらい、試験範囲に含めにくい
◇課題の取り組みを評価に含めたい

従来の読解問題集の運用に不便を感じていらっしゃる先生に、
ぜひお使いいただきたい問題集です。

□■「現代の国語/言語文化」の課題に最適■□……
「現代の国語」では評論・随想的評論・実用文を、
「言語文化」では古文・漢文・小説を収録しています。

□■観点別評価にも対応■□……
各設問は「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」の問題に大別し、
設問出題意図を記載しています。
各観点の得点を集計して記録できる得点欄を掲載しました。
さらに、観点別評価基準一覧表や、観点別の得点を入力することで
評価を自動で集計できるファイルも、付属データとしてご用意しています。

新課程の変化に対応しつつも、読解力や語彙、文法・句法といった、
新課程でも変わらずに求められる国語の力を伸ばす工夫も随所に施しています。
巻末には共通テスト対策として資料の読み取りを含んだ問題や、読み比べ問題を収録し、
隙のない問題集が完成しました。

ご不明な点は、担当営業にお気軽にお問い合わせください。
弊社HPからも詳細をご確認いただくことができます。
■『力をつける現代の国語』の詳細はこちら
■『力をつける言語文化』の詳細はこちら

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『力をつける現代文 ステップ1.5/ステップ2』
『力をつける古典 ステップ2/ステップ2.5』も新訂版を発行いたしました。
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読み方を解説した導入回から大学入学共通テストを意識した対策問題まで、
無理なく段階的に取り組むことができる読解問題集です。
紙面からアクセスして視聴できる「現代文の読み方」や
「古典文法」の解説動画も、ご用意しています。
動画を確認しながら問題に取り組むことで、
学習事項についての理解をより深めることができます。

■『新訂版 力をつける現代文 ステップ1.5/ステップ2』の詳細はこちら
■『新訂版 力をつける古典 ステップ2/ステップ2.5』の詳細はこちら


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[2]加藤徹先生コラム「漢文の特異性 その2 母語話者がいない」
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漢文には、原理的に母語「話」者が存在しない。
中国人といえども、漢字や漢文は座学で学ばねばならない。
孔子も諸葛孔明も李白も杜甫も、母語はそれぞれの時代の中国語だった。
孔子だって、赤ちゃんだったころは中国語の喃語(なんご)、
つまり乳児が「んまんま」と言うような意味のない音声をしゃべっていたのだ。
昔の中国人にとっても、漢文は座学で習得する学習言語だった。中国語とは別物だ。
漢文には母語話者がいない。学習言語あるのみ。そのぶん、外国人には有利だ。
菅原道真や夏目漱石は、日本人だが、勉強して立派な漢詩を詠んだ。
逆に、座学で漢字を学べない人は、漢文の世界から締め出された。
識字率が低かった貧しい民衆、特に女性や、目の不自由な人は、漢文とは縁が遠かった。
詩人のホメロスやマアッリー、歌人の蝉丸は盲目だったと伝えられる。
一方、盲目の漢詩人は、あまり聞かない。
古文の「百人一首」の歌人のうち女性は21人である。
漢文の「唐詩三百首」の77人の漢詩人のうち、女性は杜秋娘ただ1人である。
漢文も漢詩も、生徒への教材としてふさわしい名作が多い。
が、漢文には暗黒面もあったことを忘れてはならない。

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