座談会メンバー
- 木津さん
-
ICT教材開発の責任者として「作って売る」を日々実践。フットワークが軽すぎて、木津3人いる説あり。日本酒好き。
おすすめのショートカットCtrl+E文章編集⇔図形編集の切り替えのショートカット。文章と図形を頻繁に手直ししているときは、ツールバーにマウスを移動させる時間も節約したい!
- 村木さん
-
Studyaid D.B. 製品制作統括として製品全点に目を通す。システムとデータのつなぎ役。野球好き。
おすすめのショートカットCtrl+Enter問題の領域を10行分増やすショートカット。問題データを作成するとき図形・関数グラフ・表を作成することが多いので、まずは問題の領域を広げます。
- 小畑さん
-
Studyaid D.B. オンラインの生みの親。システム開発に製品制作にと色々携わり、今は主に数研アカウントを担当中。海外旅行好きのトロンボニスト。
おすすめのショートカットCtrl+Alt+Q/AQ=問色、A=答色に切り替えるショートカット。問にある図を流用して、答を作る場合に便利。キーがQとAで覚えやすいのもポイントです!
Studyaid D.B. の最初の発売は1996年。実は、その前身ともいえるソフトがあったようですね。
【木津】Studyaid D.B. の前身は、2つのCAI* 教材用ソフトでした。(* Computer-Assisted Instruction,コンピュータ支援教育)
・理数向けCAI教材再生ソフト「Studyaidtheater(スタディエイドシアター)」
・理数向けCAI教材作成ソフト「Wishingcap(ウィッシングキャップ)」
この2ソフトはプリント作成を目的としたものではなかったのですが、Studyaidtheaterでは理数の問題をデータ化する、という試みをしていて、Wishingcapの方には数式エディタのような機能を搭載していたんです。
・理数向けCAI教材再生ソフト「Studyaidtheater(スタディエイドシアター)」
・理数向けCAI教材作成ソフト「Wishingcap(ウィッシングキャップ)」
この2ソフトはプリント作成を目的としたものではなかったのですが、Studyaidtheaterでは理数の問題をデータ化する、という試みをしていて、Wishingcapの方には数式エディタのような機能を搭載していたんです。
1990年代のチラシに「電子黒板の時代へ!!」とキャッチコピーがあるのにはびっくりしますね。授業中の投影を目的としたソフトから、プリント作成のデータベースソフトが生まれたのは何かきっかけがあったんですか。
【木津】当時、ワープロ専用機は普及していましたが数式やグラフは手書きになってしまうので、「授業準備やプリント作成が結構手間がかかって大変だ」というお話を、営業がよく伺っていました。
そんなとき学校を訪問した営業社員が、大量の問題プリントの束から、棒のようなものを使って特定のプリントをピックアップされている先生を見たそうなんです。プリントには単元ごとの穴が空けてあって、棒が穴に引っ掛かることで取り出せるという仕組みで、今回ちゃんと調べてみて、「エッジ・ノッチ・カード」というカード分類法ですね。
アナログのデータベースなのですが、これがパソコンでできたら多くの先生が楽になるはず、と考えました。私たちには、先に挙げた2つのソフトによって、理数系問題をパソコンで表現する技術や数式エディタ技術がすでにありましたので、これらが結びついて、『ソフトで書籍を補完する』という理念のもと、プリント作成ソフトとしてのStudyaid D.B. が誕生しました。
そんなとき学校を訪問した営業社員が、大量の問題プリントの束から、棒のようなものを使って特定のプリントをピックアップされている先生を見たそうなんです。プリントには単元ごとの穴が空けてあって、棒が穴に引っ掛かることで取り出せるという仕組みで、今回ちゃんと調べてみて、「エッジ・ノッチ・カード」というカード分類法ですね。
アナログのデータベースなのですが、これがパソコンでできたら多くの先生が楽になるはず、と考えました。私たちには、先に挙げた2つのソフトによって、理数系問題をパソコンで表現する技術や数式エディタ技術がすでにありましたので、これらが結びついて、『ソフトで書籍を補完する』という理念のもと、プリント作成ソフトとしてのStudyaid D.B. が誕生しました。
Studyaid D.B. としての最初の商品は1996年の入試データベースですね。ラインアップ充実の歴史を教えてください。
【木津】翌年の1997年には、理科の入試データベースと数学・理科の教科書データベースを発行しています。その後、数学の問題集、参考書のデータベースと続き、先生方からのご要望の声をうけて、どんどんラインアップを拡充してきました。
【村木】受験対策用のデータベースは2006年春から発行を始めました。現在発行しているラインアップの大半が、1996年の発売から10年ほどで出揃っていますね。
【小畑】中学校向けもあります。1999年には、数学の高校入試のデータベースも発行しました。この発行はかなり大変でしたよね。
【村木】通常、Studyaid D.B. は書籍の問題を収録するので、問題・答・解説や目次立ては書籍を元に作りますが、高校入試に関しては「元となる書籍」がありません。47都道府県から入試問題を集めて、まず解いて、解説原稿を作成して、という作業がStudyaid D.B. のためだけに必要で、現在も編集部にもたくさん協力をいただきながら、毎年発行を続けています。
【木津】実は一時期、中学英語のStudyaid D.B. も発行していたんですよ。プリント作成ソフトだけど音声データも収録していて、英語の入試問題ではリスニングがありますので。
【村木】受験対策用のデータベースは2006年春から発行を始めました。現在発行しているラインアップの大半が、1996年の発売から10年ほどで出揃っていますね。
【小畑】中学校向けもあります。1999年には、数学の高校入試のデータベースも発行しました。この発行はかなり大変でしたよね。
【村木】通常、Studyaid D.B. は書籍の問題を収録するので、問題・答・解説や目次立ては書籍を元に作りますが、高校入試に関しては「元となる書籍」がありません。47都道府県から入試問題を集めて、まず解いて、解説原稿を作成して、という作業がStudyaid D.B. のためだけに必要で、現在も編集部にもたくさん協力をいただきながら、毎年発行を続けています。
【木津】実は一時期、中学英語のStudyaid D.B. も発行していたんですよ。プリント作成ソフトだけど音声データも収録していて、英語の入試問題ではリスニングがありますので。
え、英語?プリントに音声ってどういうことですか?
【小畑】レイアウト画面で、問題の横に音声の再生ボタンが付いているんですよ。生徒の手元には印刷したプリントを配布して、先生はPC上で操作する、という授業運用ができるようになっていたんです。
【木津】この商品自体の発行は数年間だったのですが、画面上から音声再生する機能は、その後のStudyaid D.B. プレゼンテーション機能(2012年~旧学習指導要領対応商品の一部にて搭載)の原型になりました。プレゼンテーション機能は今ではエスビューアに移行していますが、数研出版のデジタル教材の歴史は、Studyaidtheaterやこの中学英語データベースなど、実はとても長い!
【木津】この商品自体の発行は数年間だったのですが、画面上から音声再生する機能は、その後のStudyaid D.B. プレゼンテーション機能(2012年~旧学習指導要領対応商品の一部にて搭載)の原型になりました。プレゼンテーション機能は今ではエスビューアに移行していますが、数研出版のデジタル教材の歴史は、Studyaidtheaterやこの中学英語データベースなど、実はとても長い!
たくさんの問題から欲しい問題を探す、検索機能はどのように進化してきたのでしょうか。
【村木】検索の考え方としては初期からあまり変わっていなくて、科目や目次、小項目など、条件をどんどん選んでいくと、それを満たす問題がずらっと表示される、という、この仕組みの大枠はずっと維持しています。
【小畑】見た目や、使い勝手の面では進化しています。発売当初の検索方法が『LIST検索』で一覧から選ぶ形です。これ、一見分かりやすいんですが、例えば「単元」で別のものを選ぶと「テーマ」の中身が置き換わってしまって、違う科目や単元から複数選ぶのには適していませんでした。
これを改良して、今の検索方法の原型である『BOOK検索』になり、これは画面の左右に検索テーマのタブを置いていて、複数の条件を並行して選べるようになっています。
【小畑】見た目や、使い勝手の面では進化しています。発売当初の検索方法が『LIST検索』で一覧から選ぶ形です。これ、一見分かりやすいんですが、例えば「単元」で別のものを選ぶと「テーマ」の中身が置き換わってしまって、違う科目や単元から複数選ぶのには適していませんでした。
これを改良して、今の検索方法の原型である『BOOK検索』になり、これは画面の左右に検索テーマのタブを置いていて、複数の条件を並行して選べるようになっています。
データベース検索(ListType)(~2011年)
データベース検索(BookType)(2001~2011年)
詳細条件で検索(2012年~)
【小畑】ちなみに、中学校向けのStudyaid D.B. を出し始めたころは、『簡単検索ウィザード』という検索方法もありました。中学校では、初めてStudyaid D.B. を使用される先生も多い、ということで、たくさんの条件を一度に指定するより、順番にひとつずつ検索条件を指定いただく方がわかりやすいかなと考えました。慣れている方にはちょっとまどろっこしいかもしれませんが、これまでStudyaid D.B. を使ったことがない先生にもぜひ使ってほしい、ということで。
簡単検索ウィザード
【木津】検索機能でひとつのターニングポイントと言えるのは、2003年から搭載した『まとめて検索』ですね。収録書籍がかなり充実して小学校から高校まで揃ってきたので、「指導要領にとらわれない普遍的な目次立てを作りたい!」と当時の開発部門の役員が編集部門の役員を説得しまして(笑)。もちろん、先生方から「書籍を横断して検索したい」というご要望が増えてきた、という背景があってのことです。
小学校から高校までの算数数学をすべてカバーする目次立てを作り、どのデータベース商品でもこの目次から検索できるようにしました。この機能の実現には、収録しているすべての問題に検索の目印である「タグ」を付ける必要があるんですね。この「タグ」付けは、編集部に毎年協力してもらって、Studyaid D.B. のために1問1問設定しています。学習指導要領が変わるタイミングでは「タグ」も一斉に見直しているんですよ。
【小畑】30年の間に、高校数学の範囲では48万問を超える収録数になりました。最近では『対応表検索』(=選択した問題の類問を複数の書籍から検索する機能。2007年から搭載)や『まとめて検索』で検索した際に、「似た問題がたくさん出て来過ぎて困る…」という声もいただきますね。多くの書籍に収録されている問題である、というのは、良問・重要な問題であるからこそ、とも言えるんですが、今後生成AIなども活用しながら、より効率的な検索方法をご提案できればと思っています。
小学校から高校までの算数数学をすべてカバーする目次立てを作り、どのデータベース商品でもこの目次から検索できるようにしました。この機能の実現には、収録しているすべての問題に検索の目印である「タグ」を付ける必要があるんですね。この「タグ」付けは、編集部に毎年協力してもらって、Studyaid D.B. のために1問1問設定しています。学習指導要領が変わるタイミングでは「タグ」も一斉に見直しているんですよ。
【小畑】30年の間に、高校数学の範囲では48万問を超える収録数になりました。最近では『対応表検索』(=選択した問題の類問を複数の書籍から検索する機能。2007年から搭載)や『まとめて検索』で検索した際に、「似た問題がたくさん出て来過ぎて困る…」という声もいただきますね。多くの書籍に収録されている問題である、というのは、良問・重要な問題であるからこそ、とも言えるんですが、今後生成AIなども活用しながら、より効率的な検索方法をご提案できればと思っています。
問題データベースの制作で、大変だったエピソードなどはありますか?
【村木】今は制作作業がかなりデジタル化されていますけど、昔は原稿や校正刷りは紙での物理的なやりとりが多くて、そこが大変でしたね。さっき、中学校向けの高校入試のデータベース作成は元となる書籍がないから大変で…という話をしましたが、高校入試データベースの収録学校数は国公私立合わせて140校近くあって、全問収録しているので、原稿である紙の枚数は何千枚!です。昔は、それだけの枚数の紙が編集部・開発部・データ入力者の三者間を行き交っていて、東京、京都と拠点が違うため宅配便も時間がかかり、タイトなスケジュールの中で進行のタイムラグも大きくて。今もスケジュール的には大変なのですが、原稿のやりとりが紙からデジタルに変わって、制作のやりとりはかなりスムーズになりましたね。
教育向けソフトならではの対応について教えてください。
【村木】教育課程が変わると、教科や科目の目次も変わりますよね。さっき、学習指導要領が変わるタイミングでは「タグ」も一斉に見直している、という話がありましたけど、たとえば古い入試問題は、新旧どちらの学習指導要領目次でも検索にヒットするように調整しています。新学習指導要領の目次だけに対応させている、というわけでもないんですね。
また、学習指導要領は、高校は学年ごとの年次改訂ですが、中学校は3学年一斉に切り替わるので、必要な年には移行措置用の目次設定を行って、よりていねいに対応しています。
【木津】理科は、用語や単位が変わることもあるね。
【村木】そうなんです。特に用語の切り替わりは先生方からの注目度が高いこともあって、入試問題などは、過去の問題までさかのぼって用語を置き換えてます。たとえば最近だと化学の熱化学方程式の廃止ですね(注:熱力学方程式を扱わないこととして、化学反応式にエンタルピー変化を併記)。単位が変わる場合も過去の問題を全部修正する必要があるので、どうしても対応に手間と時間がかかります。
【小畑】大学名の修正もありますね。
【村木】大学の名前が変わったり、合併したりすることもあるので、修正をしています。どれも大変なんですが、先生方の使い勝手を考えたときに必要な対応なので頑張っています。先ほどの理科の用語の置き換えは、営業から「先生方から好評です」と報告をうけて、やった甲斐があった!と達成感がありました。
また、学習指導要領は、高校は学年ごとの年次改訂ですが、中学校は3学年一斉に切り替わるので、必要な年には移行措置用の目次設定を行って、よりていねいに対応しています。
【木津】理科は、用語や単位が変わることもあるね。
【村木】そうなんです。特に用語の切り替わりは先生方からの注目度が高いこともあって、入試問題などは、過去の問題までさかのぼって用語を置き換えてます。たとえば最近だと化学の熱化学方程式の廃止ですね(注:熱力学方程式を扱わないこととして、化学反応式にエンタルピー変化を併記)。単位が変わる場合も過去の問題を全部修正する必要があるので、どうしても対応に手間と時間がかかります。
【小畑】大学名の修正もありますね。
【村木】大学の名前が変わったり、合併したりすることもあるので、修正をしています。どれも大変なんですが、先生方の使い勝手を考えたときに必要な対応なので頑張っています。先ほどの理科の用語の置き換えは、営業から「先生方から好評です」と報告をうけて、やった甲斐があった!と達成感がありました。
Studyaid D.B. は、ただデータがたくさん入っていて簡単にプリントが作れる、というだけでなく、欲しい問題がスムーズに探せるように、先生方が使いやすいように、実際の使い道に寄り添って設計されているのですね。ありがとうございました!