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2019年センター試験速報<分析>

数学I・数学A
総評
  • 問題構成は,昨年と同じく大問5問(第1問,第2問は必答,第3問~第5問から2問選択)であった。
  • 第1問,第2問も昨年と同じく,独立した小問がそれぞれ3題,2題であった。
  • 配点は,第1問,第2問が各30点,第3問~第5問が各20点であった。
  • 数学Ⅰ部分の単元別の配点は,「数と式」10点,「集合と命題」10点,「2次関数」10点,「図形と計量」15点,「データの分析」15点であった。昨年から変更はない。
  • 難易度は,選択問題の第3問,第4問は後半の問題に手をつけにくかったが,必答問題は比較的解きやすかったため,全体的な難易度は昨年から変化なし。
  • 第2問〔2〕では,昨年出題されなかった変量の変換に関する問題が出題された。また,昨年と同様,散布図の読み取りのためにあらかじめ示された補助線を利用するという設問がみられた。
  • 第5問については,昨年は「図形の性質」のみからの出題であったが,今年は「図形と計量」との融合問題が出題された。「図形と計量」との融合問題は一昨年に続き2回目の出題であった。
  • 選択問題の難易度については,第5問に比べると第3問,第4問は少し取り組みにくかった。
第1問(必答問題)
配点30点
〔1〕 数と式(絶対値,根号を含む方程式)
教科書章末問題レベル。
絶対値,根号を含む式に関する問題。
昨年度の6次式を扱う問題と比べ,今年度の問題は比較的取り組みやすかったが,絶対値と根号の性質を正確に理解しているかが問われる問題であった。
〔2〕 集合と命題(必要条件,十分条件)
教科書本文レベル。
自然数の偶奇に関して,必要条件,十分条件を答える問題。
条件p,q,rの設定が平易で,pの否定を正確に書ければ解答は容易であったため,素早く解きたい問題である。
〔3〕 2次関数(頂点の座標,最大値,グラフの平行移動)
教科書章末問題レベル。
正の実数a,bを係数に含む2次関数についての問題。
問われている内容は基本的だが,2つの文字が登場するため,正確な計算が要求される問題である。
(1)は放物線の頂点の座標を求める平易な問題で,素早く解きたい。
(2)はbの最大値と,そのときのグラフがy=x^2からどれだけ平行移動したかを問う問題。
第2問(必答問題)
配点30点
〔1〕 図形と計量(余弦定理,三角形の面積)
教科書章末問題レベル。
前半は,辺の長さが与えられた三角形について,角の余弦,正弦を求める問題。昨年同様平易な問題であった。
後半は,1辺の垂直二等分線と他の1辺を含む直線との交点によってできる三角形の面積を求める問題。前半の結果から交点の位置が把握できるかで差がついたと思われる。
〔2〕 データの分析(箱ひげ図,変量の変換)
教科書章末問題レベル。
(1)は箱ひげ図から正しいヒストグラムを選ぶ問題。教科書本文レベルの易しい問題であった。
(2)は箱ひげ図と散布図の読み取りの問題。読み取るべき内容は昨年同様多かったが,基本的なものであった。また,昨年と同じく補助線から情報を読み取る必要があったが,昨年に比べて易しい問題であった。
(3)は変量を変換したデータの平均値,標準偏差を求め,散布図を選択する問題。計算は必要とせず,決して難しい問題ではない。
しかし,散布図を選択する問題は,標準偏差の定義を正しく理解していなければ解けない問題であった。
第3問(選択問題)
配点20点
場合の数と確率(余事象の確率,条件付き確率)
教科書章末問題を超えるレベル。
さいころを1個投げて袋を選び,球を取り出す試行に関する問題。
しかし,2回目と3回目の操作が直前に取り出した球の色に依存するため,「確率」と「漸化式」の融合問題の考え方に慣れ親しんでいると解きやすかったと思われる。
(3)の前半では,1回目の操作で赤球を取り出す確率が1-pであることを利用できるかがポイントになる。
(4)は原因の確率に関する出題で,これまでの結果をうまく使うことで素早く答えを導き出したい。
第4問(選択問題)
配点20点
整数の性質(1次不定方程式の整数解,最大公約数)
教科書章末問題を超えるレベル。
(1)は1次不定方程式の整数解に関する基本的な問題で,ユークリッドの互除法を利用すると素早く解くことができる。
(4)は6762を素因数分解した結果から,(2),(3)の結果を利用して考えることがポイントで,特に(2)との関連性に気づくことができたかどうかで差がついた問題だと思われる。
第5問(選択問題)
配点20点
図形の性質(三角形の内心,チェバの定理)
教科書章末問題レベル。
「図形と計量」分野との融合問題であったが,選択問題の中では取り組みやすい問題だと思われる。
△ABCの内接円と辺BCとの接点と点Qが一致することに気づくことができれば,時間をかけずに正解を導くことができる。
なお,最後の問題は接線と弦の作る角の性質を利用すると素早く解くことができる。

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