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2017年センター試験速報<分析>

数学II・数学B
総評
  • 問題構成は昨年同様,大問5問(第1問,第2問は必答,第3問~第5問から2問選択)であった。
  • 配点も昨年同様,第1問,第2問が各30点,第3問~第5問が各20点であった。
  • 第1問〔1〕が「三角関数」の分野の問題,〔2〕が「図形と方程式」,「指数関数と対数関数」の融合問題であった。
  • 第4問では昨年と異なり,「平面上のベクトル」の分野の問題が出題された。
  • 第5問で連続型確率変数に関する問題が出題された。
  • 難易は,昨年と比べてやや易化。昨年と比べると全体的に取り組みやすい問題であった。
  • 選択問題については,昨年は「数列」が他の2分野と比べてやや難しい問題であったが,今年は難易度・計算量ともに3分野で大きな差はなかった。
第1問(必答問題)
配点30点
〔1〕 三角関数(三角方程式,解と係数の関係)
教科書章末問題レベル。
三角関数に関する連立方程式を解と係数の関係を用いて解く問題。
計算量が少なく,解と係数の関係を用いることが容易に分かるような誘導であったので取り組みやすい。最後の設問は,与えられた条件から正確に値を導き出せるかどうかがポイントであった。
〔2〕 対数関数(対数関数のグラフ,常用対数)
教科書章末問題レベル。
条件を満たす,対数関数のグラフ上の2定点を求める問題。誘導が丁寧で,計算量も少なく取り組みやすい。
最後の,常用対数を用いて対数の近似値を求める問題は目新しいが,底の変換公式を適切に用いることができれば,あとは小数の計算をするだけである。
第2問(必答問題)
配点30点
微分法・積分法(接線の方程式,面積の最大値)
教科書章末問題レベル。
(1)は放物線上にない定点を通る接線を求める問題。典型的な問題であり,誘導にしたがって計算すれば問題ないだろう。
(2)は三角形の面積を求め,その最大値を求める問題。
正確な図を描くことができれば,三角形の面積を求めるのは容易であり,最大値を求める問題も典型的な問題である。
(3)は放物線と直線で囲まれた図形の面積と,その増減を問う問題。計算量については,全体的にやや多いが,微分法・積分法の設問としては例年より少な目であった。
第3問(選択問題)
配点20点
数列(等比数列,数列の和)
教科書章末問題レベル。
2次方程式の解の存在や対数関数との融合問題。
誘導は丁寧で計算量も多くないが,最後の数列の和を求める際に,項数に注意する必要があった。
第4問(選択問題)
配点20点
平面上のベクトル(位置ベクトル,内積)
教科書章末問題レベル。
座標平面上の正六角形における2直線の交点の位置ベクトルを求める問題だが,正六角形の頂点の座標がわかるので,取り組みやすい。
(2),(3)ともに標準的な問題であるが,(3)は計算が煩雑になる部分もあった。
第5問(選択問題)
配点20点
確率分布と統計的な推測(二項分布,正規分布,連続型確率変数の平均)
教科書章末問題レベル。
教科書の内容をきちんと理解していれば,取り組みやすい問題であった。
昨年までと異なり,確率の計算問題は出題されなかった。
(1)は二項分布に従う確率変数に関する基本的な問題で,(2)は(1)の反復試行に関する確率を,正規分布で近似して計算する問題であった。
(3)では現行課程で初めて連続型確率変数に関する問題が出題された。確率密度関数が具体的に与えられ,連続型確率変数の平均を求める問題であった。

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