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2016年センター試験速報<分析>

数学I・数学A
総評
  • 問題構成は,大問5問(第1問,第2問は必答,第3問~第5問から2問選択)であった。(昨年は大問6問(第1問~第3問は必答,第4問~第6問から2問選択)であった。)
  • 第1問,第2問は昨年とは異なり,それぞれ独立した3題の出題であった。
  • 配点は,第1問,第2問が各30点,第3問~第5問が各20点であった。
  • 数学Ⅰ部分の単元別の配点は,「1次不等式」10点,「論理と集合」10点,「2次関数」10点,「図形と計量」15点,「データの分析」15点であった。大問構成は昨年と異なるが,各単元に対する配点は,昨年から大きく変わっていない。(昨年は「論理と集合」10点,「2次関数」20点,「図形と計量」15点,「データの分析」15点であった。)
  • 難易は,易しかった昨年と比べてやや難化。
  • 第3問で新課程で新たに加わった「条件付き確率」に関する問題が出題された。
  • 選択問題の難易度については,大きな差はないが,第3問がやや易しく,第5問はやや難しかったと思われる。
第1問(必答問題)
配点30点
〔1〕 1次不等式(1次関数の最大最小,1次不等式)
教科書章末問題レベル。
センター試験ではめずらしい1次関数に関する問題。
(1)誘導に従い傾きの正負について場合を分けて考えられたかがポイントであった。
(2)は(1)の結果を利用できたかがポイントであった。
1問目から過去にあまり出題例がないタイプの問題であったため,焦りが生じた受験生がいたかもしれない。
〔2〕 集合と命題(集合,必要・十分条件)
教科書章末問題レベル。
(1)は集合と要素の関係,集合の包含関係に関する問題。問われていることは難しくないが,集合の記号を正しく理解している必要があった。
(2)は必要・十分条件の問題。命題は考えやすいものであるが,反例を見落としやすく,注意が必要であった。
〔3〕 2次関数(2次不等式)
教科書章末問題レベル。
文字係数を含む連立2次不等式の問題。因数分解が容易であり,考えやすい問題であった。
最後の設問も定数aの値の範囲が1以上であったため,取り組みやすい問題であった。
第2問(必答問題)
配点30点
〔1〕 図形と計量(正弦定理,余弦定理)
教科書章末問題レベル。
各設問の条件を適切に処理できたかがポイントであった。
(1)は条件を数式にどのように表すか,(2),(3)は条件を満たすときの△PABの形状を読み取れたかがポイントであった。
〔2〕 データの分析(データの相関)
教科書本文レベル。
散布図の読み取りの問題。考えにくい選択肢はなく,正しく散布図を読み取れれば難しくない問題であった。
昨年のセンター追試験の「データの分析」の問題と同様,実社会のデータを基にした出題であった。
〔3〕 データの分析(データの散らばり,データの相関)
教科書章末問題レベル。
(1)はヒストグラムから正しい箱ひげ図を選ぶ問題,(2)は散布図から相関を読み取る問題,と易しい問題であった。
(3)は分散や標準偏差の公式の深い理解が必要な問題であり,難しめの問題であった。公式を単に使うことだけの対策しかしていなかった受験生にとっては厳しい問題であったであろう。
こちらの問題も実社会のデータを基にした出題であった。
第3問(選択問題)
配点20点
場合の数と確率(条件付き確率)
教科書章末問題レベル。
新課程から数学Aに追加された,「条件付き確率」についての出題であった。
また,(3)では原因の確率が出題された。
基本的な設問で,問題の状況が把握しやすく,丁寧な誘導がされていたので,高得点を狙う場合は確実に正解したい。
他の選択問題に比べて,取り組みやすい出題であった。
第4問(選択問題)
配点20点
整数の性質(1次不定方程式,n進法)
教科書章末問題レベル。
題材は易しいが,計算量はやや多い。
(1)は1次不定方程式の問題。係数が大きいので,ユークリッドの互除法などを利用して求める。
(2)はn進法の問題。前半は2進数を4進数に直す問題で易しかったが,後半の6進法で表された小数を扱うのに慣れていない受験生がいたかもしれない。
第5問(選択問題)
配点20点
図形の性質(円の性質,メネラウスの定理,チェバの定理,方べきの定理)
教科書章末問題レベル。
図形の性質に関する事柄が,バランス良く出題されている。
参考図が与えられているが,(1),(2)で図を書き直す必要がある。特に(2)はどのような図形になるか把握するのが難しかったかもしれない。
他の選択問題と比べて問題量が多く,やや難しい設問であった。

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