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2015年センター試験速報<分析>

数学II・数学B
総評
  • 今回から新課程対応のセンター試験となり,数学Bの選択問題から「統計とコンピュータ」「数値計算とコンピュータ」がなくなり,新たに「確率分布と統計的な推測」が加わった。それ以外は旧課程の出題から大きな変更はない。
  • 問題構成は大問5問(第1問・第2問必答,第3問~第5問から2問選択)であった。
  • 配点は,第1問・第2問が各30点,第3問~第5問が各20点であった。
  • 第1問〔1〕が「三角関数」と「図形と方程式」の分野を融合した問題,〔2〕が「指数関数,対数関数」の分野の問題であった。
  • 新課程対応のセンター試験であったが,第1問~第4問は旧課程履修者用の問題と共通であり,新課程特有の問題は出題されなかった。
  • 難易は昨年よりやや難化。問題量は昨年並みであったが,計算量がやや増加した。
  • 選択問題については,数列の問題が他の選択問題に比べ難しかった。
第1問(必答問題)
配点30点
〔1〕 図形と方程式,三角関数(直線の方程式,加法定理,最大最小)
教科書章末問題レベル。
与えられた条件から線分の長さと直線の方程式を三角関数で表し,最大値や3点が一直線上にある条件などを問う問題。θの範囲に注意しながら進めていけばよい。(3)では,(1)を用いてOQを求めることができるかどうかがポイントとなる。
〔2〕 指数関数(指数の計算,最大最小)
教科書章末問題レベル。
指数計算を含む連立方程式と,相加平均と相乗平均の大小関係を用いて最小値を求める問題。少し煩雑ではあるが,指数法則を正確に用いることができれば最後の最小値までたどり着けるため,計算ミスせず完答を狙いたい。
第2問(必答問題)
配点30点
微分法・積分法(平均変化率と微分係数,接線の方程式,放物線と直線で囲まれた図形の面積,面積の最小値)
教科書章末問題レベル。
(1)は平均変化率,定義から微分係数を求める問題。目新しい出題であった。どちらも定義に当てはめるだけの問題であるため,教科書の内容をしっかりと理解できているかが重要であった。
(2)は放物線上の接線や,直線と放物線などで囲まれる図形の面積に関する問題。誘導に沿えば難しくはないが,問題の終盤までaの値が定まらず,計算量が多い問題であった。
第3問(選択問題)
配点20点
数列(漸化式,数列の和,積)
教科書章末問題を超えるレベル。
配点の割には設問数が多く,また計算量も多い問題であった。
(1)は2^nの一の位の数に関する数列の問題。誘導に従えば難しくない。
(2)では特殊な漸化式から一般項を求め,その和や積を計算する。基本的には誘導に沿って解き進めるだけだが,添え字の扱いに慣れていないと難しい。和や積は周期性をうまく利用し,4項ずつにまとめて考えることができたかがポイントであった。
第4問(選択問題)
配点20点
平面ベクトル(内積,2直線の交点)
教科書章末問題レベル。
ひし形を題材にした問題。誘導が丁寧であり,代表的な設問が多く取り組みやすい問題であった。ベクトルOCを基準のベクトルで表せたかどうかが最初のポイントであった。また,交点が複数出てくるため,図を正確に把握できたかもポイントであった。
第5問(選択問題)
配点20点
確率分布と統計的な推測(期待値,分散,正規分布,信頼区間)
教科書章末問題レベル。
前半は基本的な設問であったため,取り組みやすい問題であった。また,(1)と(2) (3)の間には関連はなかった。
(1)は白球4個,赤球3個の中から3個の球を取り出すときの白球の個数に関する確率分布の期待値,分散の問題。
(2)は正規分布表を読み取る問題。
(3)は信頼度や母集団の大きさを変化させたときの信頼区間の幅の比を求める問題。

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