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2015年センター試験速報<分析>

数学I・数学A
総評
  • 今回から新課程対応のセンター試験となり,必答問題に数学Ⅰの「データの分析」が出題され,数学Aの「場合の数,確率」「整数の性質」「図形の性質」の3問から2問を選択する形式となった。
  • 問題構成は大問6問(第1問~第3問は必答,第4問~第6問から2問選択)であった。
  • 配点は,第1問20点,第2問25点,第3問15点,第4問~第6問が各20点であった。
  • 旧課程から出題されている分野について,昨年の問題と比較すると,どの問題も配点が下がったため,問題量が減ったすっきりとした問題であった。
  • 「データの分析」が大問として出題された。
  • 第2問〔2〕で「図形と計量」,第6問で「図形の性質」の単独問題が出題された。旧課程で出題されていた融合問題は出題されなかった。
  • 第4問については,確率に関する出題がなかった。
  • 選択問題については,難易に大きな差はなかったが,第4問は計算量は少ないが問題を理解することが難しい問題,第5問は序盤は易しいが後半につれ計算量が多くなる問題,第6問は誘導が丁寧で解きやすいが与えられた図を正確に把握することが難しい問題であった。
  • 旧課程履修者用の問題と共通であったのは第2問〔1〕,一部共通であったのは第1問,第4問であった。
第1問(必答問題)
配点20点
2次関数(平行移動,最大最小,2次不等式)
教科書章末問題レベル。
(1)は頂点の座標,平行移動,最大最小などの典型問題。上に凸の放物線をかき,軸と変域の位置関係を正確にとらえる必要がある。
(2)は(1)と独立した設問。与えられた解から2次不等式を作り,f(x)>0と係数を比較すればよい。
第2問(必答問題)
配点25点
〔1〕 集合と命題(対偶,反例)
教科書章末問題レベル。昨年同様,必要条件・十分条件は出題されなかった。
(1)はド・モルガンの法則を利用して対偶を答えるだけで容易。
(2)のように反例を問う設問は近年よく見られるが,具体的な数値で答えるものは目新しい。しかし,前半の素数の条件を満たす自然数を考えるだけでかなり候補は絞られるため,それぞれが後半の条件に反するかどうかを丁寧に調べれば十分に正答できる。
〔2〕 図形と計量(正弦定理,余弦定理)
教科書章末問題レベル。数学Aの「図形の性質」が選択履修となったため,単独分野からの出題となっている。
前半は正弦定理・余弦定理を用いるのみ。後半は外接円の半径をAPの長さで表し,図からAPの範囲を求めることができるかどうかがポイントとなる。
第3問(必答問題)
配点15点
データの分析(ヒストグラム,箱ひげ図,四分位数,相関係数)
教科書章末問題レベル。新課程で追加された分野からの出題。
〔1〕はヒストグラムから読み取れる情報から,箱ひげ図として不適切なものを解答する問題。一見複雑に見えるが,四分位数や最大値に注目して考えれば選択肢を絞ることができる。
〔2〕は相関係数の計算問題が出題されたが,標準偏差と共分散の値を定義にあてはめて計算するのみで,定義をきちんと覚えているかどうかが問われた。
全体として,計算力よりは分析力・考察力を中心に問う出題だったと言える。
第4問(選択問題)
配点20点
場合の数と確率(順列)
教科書章末問題レベル。
確率の問題が出題されず,場合の数のみの出題であった。
昨年同様,誘導が丁寧であり,計算量が少なかった。
(1)は積の法則で求められるが,それに気付かず,つまずく人もいたかもしれない。
(6)は(2)以外を利用できたかがポイント。
第5問(選択問題)
配点20点
整数の性質(素因数分解,約数の個数,平方数,1次不定方程式)
教科書章末問題レベル。
(1)は素因数分解と約数の個数,(2)は平方数,と基本的な問題が出題された。
(1),(2)は,その答を(3)以降で利用するので確実に正解したい。
(3)は1次不定方程式の正の整数解を考える問題が出題された。
特殊解はユークリッドの互除法を利用して求めるとよい。
(4)は,(2),(3)で求めたことを整理できたかがポイント。

第6問(選択問題)
配点20点

図形の性質(方べきの定理,三角形の重心,メネラウスの定理,三角形の相似)
教科書章末問題レベル。
図形の性質に関する事柄が,バランス良く出題されている。
最初に与えられた図がかけず,戸惑う人もいたかもしれないが,図がかければ丁寧な誘導にのって最後まで到達しやすい。
BEの長さから△ACEの重心が線分AB上にあることに気づけるかがポイント。
後半の三角形の相似は図を正確に書くことで気づきやすくなる。

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