総評 | ・問題構成は大問4問,全問必答で,昨年と同じである。 ・配点は,昨年は4問とも25点ずつであったが,今年は第1問が20点,第3問が30点となった。第1問は5点減ったが,問題量は昨年の第1問とほぼ同じ。第3問の問題量は配点増以上に増えた印象がある。 ・全体の難易は,全体的に計算量が増え,内容的にもやや難しくなったといえる。 ・「平面図形」の内容は,昨年と同様,第3問の「図形と計量」との融合問題として出題されている。ただし,使われている内容は,円に内接する四角形の性質のみで,これは数学 I の教科書の例題の中で取り上げられていることが多い。今年の第3問は,数研版教科書数学シリーズ,新編シリーズを使用しているなら,数学Aの「平面図形」を学習しなくても対応できる。 |
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第1問 配点20点 | 〔1〕 | 方程式と不等式(絶対値を含む2次方程式) 教科書章末問題レベル。 (1)は,定義に従って絶対値記号をはずすことさえできれば,誘導に従って簡単に答えを出すことができる。 (2)は,昨年も類問が出題されている。確実に得点したい。 |
〔2〕 | 集合と論理(必要・十分条件,集合) 教科書本文レベル。 いずれも基本的な内容であり,教科書の内容をきちんと理解していれば解ける標準的な問題である。 |
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第2問 配点25点 | 2次関数(グラフとx軸の位置関係,2次不等式,区間における最大・最小) (1)は,教科書本文レベル。 センター試験によく出題されるタイプで標準的。最後の設問(カ~ケ)で,3-√6と2-√2の大小の判断のところで迷った受験生が多かったのではないかと思われる。 (2)は,教科書章末問題レベル。 入試問題としては典型的かつ標準的。日頃から問題演習をしっかりやっているかどうかが得点の差となって現れたと思われる。 |
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第3問 配点30点 | 図形と計量,平面図形(余弦定理,正弦定理,三角形の面積,相似比と面積比) 教科書本文レベル。 解くために必要な事項は教科書本文レベルであるが,解法の糸口に気づきにくい部分があり,配点以上の難易度を感じる問題。 (1)は,余弦定理と正弦定理を適用する基本的な問題でやさしい。 (2)の前半は,面積比から線分CDと線分ADの長さの関係を求める問題であるが,どのように取り組めばよいか見通しが立たなかった受験生も多かったと思われる。 後半のS3/S4を求める問題は,△ABEと△CDEが相似であることに気づくかどうかがポイントである。 |
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第4問 配点25点 | 場合の数と確率(場合の数,確率,期待値) 教科書章末レベル。 入試でよく出題されるタイプの問題ではあるが,センター試験の問題としては,やや高尚かもしれない。 (1)の前半は,見落としなく丁寧にすべての場合を列挙すればよい。後半は,積の法則を利用する問題。1回投げたときの「A→A以外」,「A以外→A以外」の場合の数がわかればやさしい。 (2)以降は,(1)の後半をヒントにして「A→A」,「A以外→A」の場合の数を考えれば,比較的容易に解決できる。このことに気づかなくても,キチンと場合分けして数えあげることができれば,完答することもそれほど難しくはない。 |