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2006年センター試験速報<分析>

数学II・数学B
総評 ・新課程1年目ということもあり,難しかった最近2,3年に比べて問題量,計算量ともにやや易化した。
 特に,第1問,第2問の必答問題は問題量,計算量ともに適切な出題であったと思われる。
 全体的にもほぼ適切な出題であったため,時間が足りなかった受験生は少なかったと思われる。
・第1問の三角関数は度数法で出題された。これは旧課程履修者への配慮からと思われる。
・第5問の統計とコンピュータは新課程で新しく導入された分野であることもあり,比較的基本的な問題が出題された。
一方,旧課程履修者のみが選択できる第7問(複素数と複素数平面),第8問(確率分布)は他の選択問題に比べて若干計算量が多かった。
第1問(必答問題)
配点30点
〔1〕 三角関数(2倍角の公式,三角関数の最大・最小,加法定理)
教科書章末問題レベル。
前半は2倍角の公式を用いて,与えられた三角関数をtで表し,tの2次関数の最大・最小に帰着させる問題。
誘導にしたがって解けるようになっているので,tのとりうる値の範囲にさえ注意すれば問題ないだろう。
後半は,条件からsinα,cosαの値を求めて,加法定理を用いる標準的な問題である。
〔2〕 指数・対数関数(対数不等式の解法)
教科書本文レベル。
与えられた対数不等式の底にxがついているが,誘導が丁寧なので,結果的に平易な問題であった。
ここは,短時間で確実に得点したい問題である。
第2問(必答問題)
配点30点
図形と方程式,微分法・積分法の応用
(2つの放物線の共通接線,面積)

昨年に比べて微分・積分の内容の比重が高かった。
ただし,計算量はやや少なめになった。
(1),(2)ともに教科書章末レベル。
(1)は共通接線と接点を求める問題。後半は文字が2つ出てきて計算が若干面倒ではあるが,数値がさほど複雑ではないので,慎重に計算すれば問題なく解けたであろう。
(2)は放物線と直線とy軸で囲まれた面積を求める問題。(1)と同様,文字はあるものの面積の計算はさほど複雑ではないので,慎重に解いて確実に得点したい問題である。
第3問(選択問題)
配点20点
数列(等差数列,等比数列,階差数列)
内容的にはさほど難しくはないが,計算量は若干多かった。
このパターンの問題は,特に私大入試対策に必須の問題であるので,2次試験対策をしている受験生には有利であったかもしれない。
(1),(2)は教科書本文レベル。
(1) 等差中項,等比中項 (2) 等比数列の和の公式 を用いるだけの基本問題。
(3)は教科書章末レベル。
(3) 階差数列の問題で文字が2つ出てくるなど計算が若干面倒であった。
第4問(選択問題)
配点20点
平面ベクトル(内積,最大値)
教科書章末レベル。
(1)はベクトルの大きさやなす角を求める基本的な問題。
(2)は,条件からベクトルa,b,c の位置関係をきちんとつかめれば問題ないが,とまどった受験生もいただろう。
(3)は,内積の最大値を求める問題。(2)がきちんとできていれば特に問題はないだろう。
第5問(選択問題)
配点20点
統計とコンピュータ
教科書章末レベル。
与えられた表やグラフから相関係数,ヒストグラムなどを求める問題。
新課程から新しく導入された分野であるが,単に平均,分散などを公式どおり求める問題だけではなく,相関係数と相関図との関連など内容をきちんと理解しているか問う問題も多出題された。
第6問(選択問題)
配点20点
数値計算とコンピュータ(2以上の自然数を因数分解し,その結果を表示するプログラム)
教科書本文レベル。
基本的なプログラムであり,題意を理解するのはさほど難しくはなかったであろう。
ただし,(4)では,プログラムを修正する問題が出題され,とまどった受験生もいたかもしれない。
第7問(選択問題)
旧教育課程履修者用
配点20点
複素数と複素数平面(回転,複素数の計算)
教科書章末レベル。
(1)は,複素数平面上での回転が理解できていれば簡単である。
(2)は(1)の後半で求めた式にz=x+yiを代入して,(実部)=0にすれば求められる。ただし,計算は若干面倒である。
第8問(選択問題)
旧教育課程履修者用
配点20点
確率分布(反復試行,条件つき確率,平均,分散)
教科書章末レベル。
1個のさいころを4回続けて投げるとき,出た目の回数の最大値,最小値に関する問題。
全体として,計算はさほど複雑ではないが,問題文の題意が読み取りにくい。特に,最小値Yが1以上という問題文の条件にとまどった受験生もいたのではないだろうか。

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