総評 | 全体的に,計算量が多く,難易度もやや難化した。 必答問題では,第2問の計算量が多かった。 選択問題では,選択される割合が多いと思われる第3,4問が,計算量も多く難度も高かったため,時間が足りなかった受験生も多かったと思われる。 |
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第1問(必答問題) 配点30点 |
〔1〕 | 三角関数(三角関数を係数に持つ不等式,三角不等式) (1)教科書の本文レベルの問題 目新しい問題ではあるが,1次関数のグラフを思い浮かべればすぐに解ける。 (2)教科書の章末レベルの問題 (1)の結果を利用することはすぐにわかる。後は,連立2次三角不等式を解けばよいが,どちらの解法(半角の公式利用,因数分解利用)も,入試には頻出である。 |
〔2〕 | 対数の計算(4つの数の正負と大小) (1)教科書の本文レベルの問題 平易な問題である。 (2),(3)教科書の章末レベルの問題 aとb,cとdの自明な大小関係に気付かないと場合分けが煩雑になり,大きく時間をロスしてしまう。式の形が簡単であるので,大小関係に着目し短時間で得点しておきたい。 また,(3)の大小関係は,適当な値(例えば,3の(10/3乗)=9の(5/3乗))を代入するだけで求まってしまう。マーク式の問題の穴ともいえるだろう。 |
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第2問(必答問題) 配点30点 |
微分法の応用,積分法の応用(定義域で変わる関数の積分で表された関数と直線の関係) 教科書の章末レベルの問題 (1),(2)定義域で変わる関数の意味がわかれば平易な問題である。計算量も少ない。 (3)グラフの形がわかれば難しい問いではない。しかし,煩雑な文字係数の方程式で,aの条件から,解を1つに絞り込むなど,計算量が多いため,ミスをした受験生も多かったと思われる。 (4)(3)が正確に求まれば平易な問題である。IIIの「積の導関数」を使えば少し計算が楽になる。 |
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第3問(選択問題) 配点20点 |
空間ベクトル(空間ベクトルと内積) 教科書の章末レベルの問題 (1)平易な問いであるが,時間節約のため,立方体であることを最大限に活用して計算したい。(内分点の公式を利用しない,内積=0など) (2),(3)すべて地道に内積などを計算すれば解決する問題であるが,計算の結果を整理した上で,始点をうまく選んだり,図形の性質を利用したりして((2)のSで三平方の定理,(3)の角度で余弦定理利用)計算量を減らしたい。 |
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第4問(選択問題) 配点20点 |
複素数と複素数平面(極形式,図形への応用) (1)教科書の本文レベルの問題 平易な計算問題である。確実に得点したい。 (2)教科書の本文レベルの問題 平易な問題ではあるが,計算がやや煩雑である。枠の形から分母が約分されることに気付けばミスを避けられたのではないだろうか。 (3),(4)教科書の章末よりも難しい問題 すぐに図形に持ち込み,直角三角形に気付いたかどうかで,大きく差がついたと思われる。また,(4)で0゚<θ<90゚の条件を使うが,偏角,sinθともに符号が与えられていたため,ほぼ不要な条件であった。 |
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第5問(選択問題) 配点20点 |
確率分布(確率変数の平均と分散) センター本試では珍しい分散の出題。 公式を知っていれば解ける平易な問題である。 (3)の不定方程式の自然数解の問題は,教科書では扱われない問題であるが,入試には頻出の問題であるため,日頃から演習をしている受験生にはさほど難しくなかったと思われる。 |
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第6問(選択問題) 配点20点 |
算法とコンピュータ(3点からの距離の最小値,最大値) プログラムの意味が与えられており,理解しやすかったため,誘導に乗って解いていけばさほど難しくない。標準的な問題である。 |