総評 | 第2問〔2〕の三角比の問題を除いて,難易度は昨年並みと感じた。 選択問題については,第4問(平面幾何)を選択すると問題の流れを理解するのに時間を要するが,難易にはそれほど有利,不利がなかったと思う。ただ,見た目から第4問(平面幾何),第5問(コンピュータ)を避けてしまった受験生は多いであろう。 なお,第5問のコンピュータの問題は,プログラムの基本用語と基本規則さえ知っていれば簡単な計算で解けるパズル的な問題で,もし毎年このレベルで出題してくれるならば,コンピュータ部分は狙い目かも知れない。 |
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第1問(必答問題) 配点40点 |
〔1〕 | 2次関数とグラフ (2次関数の決定,平行移動,最小値) 教科書の本文レベルの問題。 メインと思われた(3)が,与えられた2つの放物線の一方だけの平行移動の設問であったのが気になった。違う方の放物線と間違えて時間を無駄にした受験生もいたのではなかろうか。 |
〔2〕 | 確率と期待値(復元抽出の確率) 教科書の本文レベルの問題。 (4)は,余事象を考えても同程度の計算量であった。 |
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2問(必答問題) 配点40点 |
〔1〕 | 整式の割り算 教科書の本文レベルの問題。 組み立て除法を知っていると早く解ける。 (2)は,本来なら証明させたい問題である。 |
〔2〕 | 三角比の図形への応用(余弦定理,正弦定理,三平方の定理) 教科書で扱うことができないため,教科書の演習だけではちょっと難しい問題。 最後の2つの設問では,BC(=AC)の値を求めることがポイントになる。ここで得点の差が付いたのではと思われる。 |
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第3問(選択問題) 配点20点 |
数列(特殊な漸化式と数列の和,等比数列の決定と和) (1)教科書の演習だけではちょっと難しい問題。 与えられた漸化式が隣接していない形なのでとまどった受験生は多かったと思われる。なお,数列の和は40項までなので力ずくでも解ける。公式を使おうとして項数を間違えて失敗した人がいたのではなかろうか。 (2)教科書の節末問題レベル。 傍用問題集でも頻出の問題であるから,日頃から演習している人には楽な問題だったであろう。 |
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第4問(選択問題) 配点20点 |
平面幾何(円に内接する三角形の内心の軌跡,円と接線) 内心の定義,同じ弧に対する円周角の性質,三平方の定理を知っていれば,設問が誘導形式になっているので,ある程度勘で答えられる。 教科書の知識で十分解けるであろう。 角度も,枠の形と図から45度であることは容易に予想できる。 問題文中の「A,Bが定点であるから,Eは定点である」という事実こそ本来なら受験生に証明させたい内容であろう。 |
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第5問(選択問題) 配点20点 |
計算とコンピュータ(流れ図とプログラム,INT(A)の性質) (1)流れ図での出題は一昨年以来2回目。 前回では流れ図の記号の説明書きがあったが,今回は説明なしでも判断できるようになっている(実際の流れ図ではこんな書き方はしないが)。流れ図に沿って途中の計算結果をメモしていけば間違えないであろう。教科書の知識で十分解ける。 (2)プログラムは昨年よりずっと短い。(1)と同様に途中の計算結果をメモして解けばよい。教科書の知識で十分解ける。 (3)(1)の流れ図通りの順序で考えればよい。 教科書の知識で十分解ける。 |